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スーパーFJ富士戦で村松日向子が初優勝。女性ドライバーの優勝は2010年の神子島みか以来

2019年04月24日 12:11  AUTOSPORT web

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スーパーFJ富士シリーズ第1戦で優勝した村松日向子
2019年に発足する女性ドライバーで争うフォーミュラ『Wシリーズ』に小山美姫が唯一の日本人ドライバーとして参戦するなど、近年女性ドライバーの活躍が目立ってきている。そんななか、4月20~21日に富士スピードウェイで行われたスーパーFJで、村松日向子(Rn-s制動屋KK-S)が初優勝。女性ドライバーとして、2010年以来にスーパーFJで勝利を掴んだ。

 村松日向子といえば、カートレースにも関心を持つ方なら「ああ」と思うに違いない。2014年に、全日本選手権のFS-125クラスで優勝経験を持っているドライバーだ。その後の修行を経て、2017年にスーパーFJ岡山シリーズでフォーミュラデビューしている。

 彼女が所属するのは、ルーニースポーツ。そう、牧野任祐や大湯都史樹らを擁し、ドライバー育成に定評のあるチームである。村松は、OBドライバーである石川京侍の指導のもと、初年度は徐々に成績を高めていって、第5戦で3位、最終戦で2位と連続で表彰台に上がり、ランキングでは3位に。

 18年は初優勝と王座獲得に期待がかかるも、表彰台に上がれたのは第2戦で獲得した2位の一度だけ。ノーポイントのレースも2戦あったことで、ランキングも5位に落としてしまう。

 シリーズ参戦3年目となる2019年は鈴鹿シリーズに活動の舞台を移すとともに、富士シリーズにもスポットで参戦を予定していた。ちなみに、すでに行われた鈴鹿シリーズでの2戦は、10位、5位といずれも入賞を果たしている。

 そして迎えた富士シリーズの第1戦は、富士チャンピオンレースの一戦として4月20日に開催された。予選では計測1周目からトップにつけたばかりか、周回を重ねるごと徐々にタイムアップ。最終的に1分54秒244を記録してポールポジションを獲得する。

「(1分)53秒台を狙っていたので、ちょっと残念ですが、(2番手とは)コンマ5秒差あるので、決勝では頑張ろうと思います」と村松。

 エントリー台数が少ないから……と思う向きもあるかもしれないが、昨年の第1戦のポールタイムは1分54秒408と、それを上回っており、また今回予選2番手だったのはSUGOシリーズで昨年優勝経験を持つドライバーだ。

 決勝ではスタートで出遅れてしまい、2台の先行を許すもオープニングラップのセクター3で、まず1台をパス。トップにも遅れず続いて、3周目の1コーナーではアウトからオーバーテイクする大技を見せて、トップに立つ。

 その後は1分54秒台を連発し、後続を引き離していった。最後は5秒5の差をつけ、待望の初優勝を飾った。

「スタートはやっちゃいました!(1コーナーでアウトからオーバーテイクは)自分でも行けるとは思わなかったんですが、相手もクリーンに、自分の場所を残してくれたので、うまく抜くことができました。その後は最後までずっとプッシュしていました」と村松。

 ちなみに、女性ドライバーがスーパーFJで優勝するのは、2010年の8月21日、筑波サーキットで神子島みかが挙げて以来のことだ。

「やっと3年目で、優勝することができたので、次は鈴鹿でも勝てるよう頑張ります!」

 1998年11月9日生まれで、20歳の大学生ドライバー村松の今後に期待がかかる。