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「サカヨリ」がビギに事業移管、売上10億円規模目指す

2019年04月23日 21:02  Fashionsnap.com

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2019年秋冬コレクションより Image by: サカヨリ
坂寄順子が手掛ける「サカヨリ(sakayori.)」と「ジードット(g.)」が、3月1日付で坂寄のデザイン会社GOAT-eeからビギ(BIGI)に事業移管した。ビギの持つ企画から販売までの生産ノウハウを活用し、販路や商品カテゴリーの拡大に注力。今後3年以内に直営店の出店を視野に入れている。


 サカヨリは2004年春夏コレクションでデビューし、パターンを追求した立体的なディテールにエレガントな雰囲気を落とし込んだデザインが特徴。2019年春夏シーズンに立ち上げたジードットでは、独自開発した特殊機能素材を取り入れたTシャツやジャケット、ニットなど、サカヨリよりもベーシックでライフスタイルに寄り添ったウェアを展開している。
 坂寄はビギが展開する「レキップ(L'EQUIPE)」のライン 「ドゥ クレ(DEUX CLE)」のデザインを2011年から担当しており、ビギは代官山のセレクトショップ「フィーリック(feerique)」でサカヨリを取り扱うなど、良好な関係を維持してきた。今回の事業移管は、坂寄の「もっと顧客と近い距離感でデザインがしたい」という思いと、ビギのブランド事業拡大のヴィジョンが一致したことがきっかけとなり、金銭の授受は発生していないという。ビギはサカヨリ事業部を発足し、同社の公式サイト内にブランドページを開設。2019年春夏シーズンから販売を手掛けており、2019年秋冬シーズンからは企画および生産面も同社が管理するという。坂寄はデザインとディレクションに専念し、GOAT-eeはデザイン会社として継続する。
 2ブランドの今後の具体的な計画としては、3年以内に百貨店や駅周辺の商業施設などに直営店を出店するほか、今季からポップアップショップなどを積極的に展開し、顧客との接点の創出とマーケットの拡大を図る。中長期的な計画としては10億円規模に事業を成長させるという。坂寄は「これまで生産から販売まで全て自分で管理してきたが、ビギの企画・生産の基盤を活用することで新しい素材やアイテムに挑戦しやすくなると思う。顧客との接点を感じながらより良いデザインを生んでいけたら」と話した。