アタックス・セールス・アソシエイツは4月23日、「日本の営業実態調査2019」の結果を発表した。調査は今年3月にネット上で実施し、民間企業の営業職に従事している3360人から回答を得た。
営業職はやりたかった仕事か否かを聞くと、「いいえ」(59.5%)が多数派となった。一方、現在の営業のやりがいを「とても感じる」「まあまあ感じる」と回答した人の合計は83%となっている。
営業部で問題に感じること「人が足りない」「人が定着しない」
営業職を選んだ理由を聞くと、1位は「やりがいがありそうだったから」(30.3%)。以降、「人と話すのが好きだから」(28.2%)、「成果や結果が目に見えやすいから」(20.6%)とポジティブな理由がランクインした。
しかし、4位「配属先・異動先だったから」(19.8%)、5位「未経験でもOKだったから」(17.4%)と消極的な回答が続く。同社はこの理由を「専門的なスキルや知識が乏しいなどの理由により営業職しか選べなかった人も一定数いることが考えられます」と推測する。
評価制度に「不満がある」と回答した人は54.8%。不満の理由1位は「評価基準があいまい」(48.7%)で、2位は「上司の好き嫌いが評価に関わる」(38.4%)。目標の達成・未達成が明確な職種であるにも関わらず、結果に公平な評価がされていないと感じている人が多いようだ。
「営業部で問題に感じること」で最も多かったのは「人が足りない」(35.5%)。7位の「離職率が高い・人が定着しない」(17.3%)からも、慢性的な人手不足が感じられる。2位以降、「人によって営業のやり方が違う」(28.2%)、「残業が多い」(28%)と続く。
営業を辞めたいと思う時1位「客と会社の板挟みになったとき」
営業の1か月あたりの残業時間は平均32.8時間。働き方改革法でひとつのボーダーとなる月間45時間を超える人は24.1%だった。「数値目標がある」(79.8%)と回答した人のうち、昨年度目標達成をした人は47.3%。2人に1人は目標未達ということが分かった。
達成できなかった理由として「営業戦略が悪かった」(31%)、「訪問数・商談数が少なかった」(30.9%)、「目標管理が甘かった」(27.1%)が上位3つに入った。一方、達成した理由としては「客やエリアに恵まれた」(37.8%)、「大型案件の契約・受注があった」(31.2%)、「既存営業のフォローに注力した」(28.7%)が挙がった。
営業活動で不安に感じることがある人は85.9%。不安の内容の上位には「客と関係構築できているか」(51.4%)、「客に話が正しく伝わっているか」(50.3%)、「提案内容は適切か」(43.5%)、「客に嫌な印象を与えていないか」(40.9%)と続く。
営業を辞めたいと思う時の上位3つは「客と会社の板挟みになったとき」(28%)、「上司に理不尽な対応をされたとき」(24%)、「客から理不尽な要求をされたとき」(23.1%)。仕事自体は、45.9%が「これからも営業として働き続けたい」と回答している。