Round.1 鈴鹿サーキット
決勝 4月21日(日)
天候:晴れ コース状況:ドライ
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦決勝日、鈴鹿サーキットは、曇天ではあるが暖かい陽気となった。朝の練習走行は、他陣営の内容は不明ではあるが、ペースも良く、トップタイムに39号車坪井が来るなど、決勝レースを見据えいい状態で終えることができた。
#38 石浦宏明 リタイア
#39 坪井翔 5位
決勝は、午後2時にスタート。気温は、25度、路面温度は、37度まで上がった。この気温、路面温度は、テスト走行していない領域である。スターティンググリッドに並んだ20台は、7台がソフトタイヤを選択。その1台は、38号車石浦。坪井はミディアムタイヤを装着しグリッドについた。
14番グリッドからスタートした石浦は、快調にオープニングラップから11位、3周目に10位、5周目に9位、8周目で6位まで上がった。しかし、他車のクラッシュによりその時点で1度目のセーフティカーが導入された。坪井は、18番グリッドから16位と2つポジションを上げた矢先だった。
セーフティカーラン中、コースにステイアウトしたライバルの2台を残し、一斉にピットインした。CERUMO・INGINGの2台も勝負権がなくなるのを避けピットイン。先に石浦、その後坪井がピット作業を行った。タイヤは、石浦がソフトからミディアム、坪井は、ミディアムからソフトへ交換しピットアウト。12周目にレースが再開した。
14周目、再びコース上で他車のトラブルが発生、15周目に2回目のセーフティカーが導入された。この時点で、ミディアムタイヤでペースが落ちてしまった石浦は、ソフトタイヤに再び戻すことを選択しピットへ向かった。しかし、ピットアウトする際にギアが壊れてしまいコース復帰ならず、残念ながら15周で戦線離脱となった。
レースは、18周目に再開し、坪井は9位で走行していたものの、他車のトラブルにより3度目のセーフティカーが導入された。この時点で、コース上のクルマは13台のみ。坪井の順位は8位。22周でレースが再開すると、坪井はタイヤを労りながらも快調な走りを見せる。ペースも、1分44秒台を乱さず安定し周回を重ねる。27周目に再びアクシデントが発生、決勝セッション中、とうとう4度目のセーフティカーが入った。この上なく荒れた展開のなか、気づけば坪井は7位。
その後、32周目でレースが再開すると、坪井に後続が仕かけて来る。しかし、坪井は集中力を切らすことなくオーバーテイクシステムを使い、追随を許さない。最終的に、上位のクルマが最終ラップでピットインし後退、そしてまた別のクルマにペナルティが出て、その影響で2つポジションアップ。5位でフィニッシュ、デビュー戦を入賞で終えた。
新型車両の戦いは、非常に荒れた展開となったが、新しいタイヤの使い方、それを使った戦略など、今後のシリーズへ活かせるものが豊富にあった。なかなか掴み切れていないクルマの攻略は、まだまだ続くが、リタイアとなってしまった石浦の痛手も無駄にしないようシーズンを戦って行きたい。次戦は、5月18日(土)、19日(日)九州オートポリス(大分県日田市)で行われる。
ドライバー #38 石浦宏明
「スタート前からセーフティカーのリスクがあるということはわかっていましたが、ソフトの方が調子が良かったので、ソフトでのスタートを選択しました。序盤、何台かオーバーテイクし、実質5、6番手まで行き、あの瞬間までは順調でしたがセーフティカーが入ってしまいました」
「この時点でピットに入らないと終わりなのでピットインしました。残りがミディアムになってしまった為、もう一回SCが入った時点でソフトに戻しました。しかし、ピットアウトする際にギヤが壊れて終了となってしまいました。今回のレースを、今後のレース戦略に生かしてまた頑張ります」
ドライバー #39 坪井翔
「昨日の予選が予選だったので、ノープレッシャーでスタートできました。スーパーフォーミュラでのスタートも初めて、長距離も初めてのレースで、どうなることやらと心配して臨んだレースでした。しかし、ひとつでも順位を上げることを考えました」
「ミディアムタイヤでスタートしましたがペースがあがらず、ピットに入りたいと思っていた所で、SCが導入されました。そのタイミングでタイヤを交換できたのが大きかったです。一斉にピットインしたクルマが多く、先に石浦選手を行かせ、待っていましたが、その間のロスは大きかったように思います」
「あれがなければもう少しいけたかなと思います。自力でも何台か抜きましたし、タイヤも余力を残しておけ後続が来ても大丈夫だったので、開幕戦は合格点を自分にあげたいと思います。順位に関しては、他が脱落して行ったりもあり、良い決勝になりました」
監督 立川祐路
「荒れたレースのなか、後方から追い上げる決勝となりました。まず石浦の方は、得意のソフトタイヤでレースを引っ張る作戦にしました。しかし、思いの外、早めにセーフティカーが導入されてしまい、ここでピットに入らないという選択はないので、タイヤを変えざるを得なくなりました」
「その為、ソフトタイヤを捨てることになり、セーフティカーが入った時点で、石浦にとっては不利になりました。2度目のセーフティカーが入り、またソフトに戻しましたが、ピットアウトの際にギアのトラブルが出てレースが終わってしまいました」
「坪井の方は、ミディアムスタートだったので、流れ的にとても良い展開となりました。新人ながらも順調にレースを運び、後ろからフレッシュタイヤを履いたクルマが来てもしっかり守れたので、とても頑張ったと思います」