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ホンダとヤマハの明暗分けた鈴鹿での走行時間。吉川監督、レース2は「今ある流れでベストを尽くす」

2019年04月21日 02:21  AUTOSPORT web

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第2戦鈴鹿のレース1も開幕戦と同じく高橋巧と中須賀克行のマッチレースになると思われたが……。
全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの第2戦鈴鹿レース1は、高橋巧(Team HRC)が優勝、開幕戦ダブルウインを飾った中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は3周目にまさかの転倒を喫しノーポイントで終えた。レース1の明暗を分けたのは何だったのか。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの吉川和多留監督に話を聞いた。

 ホンダファクトリーのTeam HRCは、第2戦の開幕前に鈴鹿サーキットで事前テストを行っており、このテストで高橋巧が2分4秒4に入れており、レースウイークでは勝利に向けた自信を覗かせていた。一方、ヤマハファクトリーは、事前テストは行わずレースウイークからマシンを仕上げていく流れとなった。

 予選では、高橋巧が中須賀が持つ鈴鹿サーキットのコースレコード2分4秒876を1秒以上上回る2分3秒874でポールポジションを獲得。中須賀は2分4秒880で2番手という結果だった。

 迎えた決勝レース1では、1周目から高橋巧と中須賀が3番手以下を引き離し、開幕戦のようなマッチレースが展開されると思われた。しかし、3周目のデグナーカーブで中須賀がまさかの転倒を喫しリタイア。これで高橋巧が独走態勢となり、2位以下に16秒以上の差をつけて今季初優勝を挙げた。

 吉川監督はレース1までの展開を次のように語る。

「言い訳になってしまいますが、ヤマハは先週の事前テストに参加していなかったため、鈴鹿で走る時間も少なかった。金曜日、2回の短い時間で走り始め、中須賀に関しては午前中で転倒もあったので、全部が後手後手になってしまいました」

「マシンの仕上がりに関しては去年のレベルにはなってはいますが、ライバルのレベルが全体的に上がってきているので、まとまりが今一歩というところでレース1にいかざるを得なかった感じがあります」

「レース1は、遅れの分を何とかライダーがカバーしようという展開で、ライダーに無理を強いてしまったかなと。中須賀は、遅れを何とかしようとして少し行き過ぎた感じです」

 ファクトリー体制が復活して2年目となるTeam HRCは、2019年の開幕戦から昨年以上の速さを見せている。

「HRCは非常に手強いですね。去年から戦闘力が明らかにアップしています。スプリントでこの速さなので、鈴鹿8耐でのシチュエーションなら、その利点がなおさらでてきます。こちらもデータを見ながら新しいトライをしていかないとかなり厳しいと感じています」

 日曜日のレース2に向けては「レース2まで時間も少ないので、大きな博打は打てない。今ある流れでベストを尽くします」と吉川監督。

「ライバルにまったく付け入る隙がないわけではないですし、ライダーもいろいろな引き出しを持っているので、あの手この手でやれるだけのことをやっていきます」

 第2戦鈴鹿の決勝レース2は、4月21日の午前11時にスタートする。