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AKBメンバー「偽造サイン買わないで」Twitterで呼びかけ…ヤフオクで出品相次ぐ

2019年04月20日 10:51  弁護士ドットコム

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アイドルグループ「AKB48 Team 8」のメンバーが4月16日、Twitterで一斉に偽造サインがヤフオクに出回っているので買わないよう、ファンに呼びかけた。


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わかっているだけでも、富山県代表の橋本陽奈さん、奈良県代表の大西桃香さん、長崎県代表の寺田美咲さんなど、複数にのぼる。メンバーのひとり、長野県代表の高橋彩香さんは次のようにツイートしている(一部絵文字は削除)。



「本当にかなしい。。



オークションに私のサイン色紙の偽物が出回っているらしいです



本物であれば、ファンの方に当たっても痛くないように色紙が折り曲げられていますし、そもそもサインも字も全然違います



これからもサインボールやサイン色紙を続けられるように絶対に買わないでくださいね!」



ファンからの通報があり、現在偽造サインは削除されているようだが、アイドルのサインを偽造し、ネットオークションなどで販売する行為はどのような罪に問われるのだろうか。河西邦剛弁護士に聞いた。



●明らかに詐欺罪、損害賠償請求も可能

「明らかに刑法上の詐欺罪に該当する犯罪行為です。



入札する人は、タレントが書いたサインだから入札するわけであって、タレントではない人が書いたサインであれば入札しません。商品の本質的な価値を偽って、購入代金を吊り上げようとしていることから、明確に刑法上の詐欺罪に該当し、10年以下の懲役として処罰される可能性があります。



また、タレント本人や所属事務所は、パブリシティー権侵害を理由にサインを偽造した人物に対して損害賠償請求することも可能です。



パブリシティー権というのは、アーティストのブロマイドや写真集、ポスターなどが典型例ですが、顧客吸引力などを保護する権利です。今回問題になっているサインも、アーティストのサインだから経済的な価値があるわけで、サインには十分パブリシティー権が生じています」



著作権法違反ではないのでしょうか。



「著作権法は著作物を保護している法律であり、人間であるタレントそのものの権利を保護しているわけではありません。そこで、裁判所はパブリシティー権という権利でタレントの権利保護を実現しようとしたのです」



もしもネットオークションなどで偽造サインを見つけた場合はどうしたらよいでしょうか?



「まずはオークションサイトに通報することです。偽造サインを出品することは明らかに詐欺罪に該当する行為なので、目に余る場合は警察への告発を検討してください。同時に所属芸能事務所にも共有すると対応が早まると思われます」



(弁護士ドットコムニュース)




【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。アイドルグループ『Revival:I(リバイバルアイ)』のプロデューサー。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/