映画『僕に、会いたかった』の新たな場面写真と出演者コメントが公開された。
5月10日から公開される同作は、島で一二を争う凄腕の漁師だったが事故をきっかけに記憶を失った主人公・池田徹が、島の人々の優しさに触れるうちに新しい自分を見つけ出す、というあらすじ。島根・隠岐島を舞台に家族の絆と再生を描く。12年前の事故で記憶を失くした元漁師・徹役にTAKAHIRO(EXILE)がキャスティング。
新たな場面写真には、荒波に揉まれる漁船で雨に打たれる徹の姿や、徹、松坂慶子演じる徹の母らが食卓を囲むシーン、小市慢太郎演じる医師が徹を眼差す場面などが写し出されている。
公開されたコメントは、TAKAHIRO、松坂慶子、秋山真太郎(劇団EXILE)、錦織良成監督が隠岐島を訪問し、映画館がない隠岐で上映会を行なった際のもの。
TAKAHIROは「いつか錦織監督とご一緒したいと思っていたのでとても光栄でした。台詞が少なかったので、細かい所作に“池田徹”という男の人生を感じ取ってもらえるよう気を付けました。本当に難しい役どころだったのですが、経験として何事にも代えがたいことをさせて頂いたからこそ表現者としてターニングポイントになった作品かなと思います」とコメント。
松坂が「(TAKAHIRO演じる徹は)素朴な、母親思いの心優しい息子ですね。TAKAHIROさんはとっても感受性豊かな方で、涙もろいんですよね」と打ち明けると、TAKAHIROは「松坂さんが不思議なパワーをもっていらっしゃるんです。みなさんご存じの通り大女優さんなので最初はとても緊張しながらご挨拶をさせていただいたのですが、全てを包み込むような優しさと笑顔で接してくださって。まるで何年も育ててもらっているような感覚になれる。お芝居の上でもひっぱっていただきました。短い期間ながら息子として過ごせたことを光栄に思います。松坂さんのやさしさに触れるたびに涙腺が緩むというか。泣くべきシーンじゃないのにどうしても涙が出てしまうので、リハーサルで泣くだけ泣いて涙を枯らして本番に向かう、そんな手法を取らせていただきました(笑)」と撮影中のエピソードを披露した。
TAKAHIROが漁師役という設定について錦織監督は「最初学校の教師というのを考えていたんですけど、漁師という役のほうが島の力強さを出せるんじゃないかと思いました。それから島留学で来ている子供たちと記憶喪失の徹、悩んでいる・迷っているというところをリンクさせたら面白いのではと。演じないで自然にそこにいるっていうのはとても難しいことなんですが、TAKAHIROさんと母親役の松坂さん…最初は美男美女で出来過ぎかなと思ったんですが、島に生まれた方が自然にそこにいるんですよね。とってもいい島の親子を演じてもらったと思っています」と述べている。
また出演とプロデュースに加えて共同脚本も務めた秋山は「ヒューマンドラマを作りたかったので、 TAKAHIROくんの役にどんどん負荷を与えていって、キャラクターが映画の中で輝けるものにしたいなという思いがずっとありました」と語る。
さらに隠岐島について松坂は「見えないものに惹かれるんですけども、奈良に行くと万葉集の1300年前の歌の同じ空気を今感じているんじゃないかなと思うことがあるんです。そんな風に隠岐諸島にいると太古の見えないものを感じる、イマジネーションを掻き立ててくれる神秘の島で、ご縁の島で、何が起こるかわからない、いればいるほど魅力を感じる島ですね」と語り、TAKAHIROは「先入観なく、癒されるために映画を観に来ていただければと思います。静かな映画です、人と人とのぬくもりを感じていただける映画になっています」と締めくくった。