今年もスーパーGTシリーズは岡山国際サーキットで幕を開け、全8戦での初戦がOKAYAMA GT 300km RACEとして開催された。今年もaprは引き続き2台体制で挑むが、マシンをTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)にスイッチ。規定の変更と合わせ、駆動方式をミッドシップからFRに改め、さらにTRD開発の5.4リットルのV8エンジン、2UR-Gを新たに搭載することとなった。
カラーリングをイエローベースに改め、大幅に印象を一新した#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTをドライブするのは、引き続き永井宏明選手と織戸学選手。タイヤもヨコハマが継続して使用され、マシンこそ新たになったものの、それ以外は不動の体制で挑むこととなる。なおハイブリッドシステムは非装着。大排気量のビッグトルクエンジンを搭載したことから、モーターアシストの力を借りずとも、十分に勝負権ありとの判断による。
最初に#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTに乗り込んだのは織戸選手。持ち込みのセット確認を行い、続いて予選モードでの走行に。早い段階で手応えを得る、1分27秒059をマークしたことから、やがて決勝レースに向けたセットアップへと切り替えるとともに、永井選手の走行も開始されることとなる。その永井選手のベストタイムは1分29秒099。セッション後半は再び織戸選手がドライブすることに。この公式練習の順位は21番手、トラブルに見舞われることなく、多くの周回を重ねられたのが、何よりもの収穫だった。
公式予選Q1 4月13日(土)14:45~14:55
予選Q1は岡山国際サーキットでは初めて2グループに分けられ、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは最初のAグループでの走行となった。そのQ1担当は織戸選手。気温は16度、路面温度は25度と、公式練習よりは上がったこともあり、さらなるタイムアップに期待が込められた。
レース開始はセーフティカースタートで。だが、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは、始まって1周でピットで戻ってくる。原因はABSのトラブル。織戸選手をもってしても、コントロールが厳しい状態になっていたためだ。メカニックによる懸命の修復が行われるなか、コースでは多重クラッシュなどアクシデントが続発する。刻一刻と時間が経過していくなか、SC先導でスローペースとなったばかりか、13周目には赤旗も。50分間ほどの中断もあったことから、復帰できれば規定周回を満たせるかもしれない。
そんな思いが通じ、レース開始から2時間近くを要したものの、トップが19周目に到達したところで#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは復帰がかなうことに! もはやライバルの脱落なくしてポジションアップは果たせぬ遅れだったが、完走に向けて必死に周回を重ねていく織戸選手。だが、それから間もなくGT500でトップを争う車両に接触があり、1台がコースアウトしたことからSCランがまた実施される。そればかりかGT300の車両にモスSでのスピンがあり、天候回復の見込みがないことから31周目に再び赤旗が出され、やがてレース終了の発表が……。
11周の走行に留まった#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは、残念ながら完走扱いにはならず。だが、復帰なった場所は上位陣の合間、決して引けを取らぬペースで走り続けていただけに悔いが残る。次回のレースはゴールデンウイーク真っ只中の5月3~4日、富士スピードウェイで開催される。今回の無念を一気に晴らすレースとなることを期待したい。