トップへ

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督初のコメディ 『ニューヨーク 最高の訳あり物件』6月公開

2019年04月18日 17:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 第30回東京国際映画祭コンペティション部門で『さようなら、ニック』のタイトルで上映された『Forget About Nick(原題)』が、『ニューヨーク 最高の訳あり物件』の邦題で6月29日よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開されることが決定した。


参考:『ある少年の告白』が描く深刻な問題と示される希望 ジョエル・エドガートン監督の作風から探る


 本作は、『ハンナ・アーレント』『生きうつしのプリマ』のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督が挑んだ初のコメディ・ドラマ。マンハッタンの超高級アパートメントに暮らすモデルのジェイドは、デザイナーとして華々しいデビューを企画していたが、スポンサーでもある夫ニックに突然離婚を告げられてしまう。さらに、傷心の彼女のもとに夫の前妻であるマリアが転がり込んできて、慰謝料として残された部屋の所有権を巡って2人のおかしな共同生活が始まることに。同じ男と結婚したこと以外は、ファッションもライフスタイルも性格も、すべてが正反対のジェイドとマリアの、プライドとこの先の人生をかけた闘いが幕を上げる。


 『ヘラクレス』や『ウエストワールド』のイングリッド・ボルゾ・ベルタルが、突然夫に離婚を告げられてしまうジェイド役を務め、『帰ってきたヒトラー』や『生きうつしのプリマ』のカッチャ・リーマンが前妻マリアを演じる。そして、2人を引き寄せた張本人であるニック役には『雪の轍』のハルク・ビルギナーが名を連ねた。


 あわせてポスタービジュアルと予告編も公開。ポスターでは、エンパイア・ステート・ビルなどニューヨークの高層ビル群を見渡せる、問題の超高級アパートメントの一室の窓の前で、ジェイドとマリアが不敵な笑みを浮かべ互いに見つめ合い、静かに火花を散らす姿が。さらにその間には、まるで品定めをするように腕を組み2人を見上げるニックが描かれ、「女の人生はワケありほど価値が上がる」という意味深なコピーが浮かぶ。


 また予告編では、夫に突然別れを告げられた上、前妻のマリアが家に転がり込んできたことに困惑し、仕事も思うようにいかず怒りや悲しみがこみ上げるジェイドの姿が映し出される。モデル、デザイナーとしてキャリアを積んできたジェイドとは対照的に、マリアは家庭的で料理上手。ジェイドに夫を奪われ、ドイツでシングルマザーとして子育てをしてきたが、これを機に再びニューヨークに戻ってくる。さらにマリアが、1人娘と孫をアパートメントに招き入れ、共に暮らしていく中で、2人はぶつかり合いながらも本音を語り合い、やがて不思議な絆を深めていくようになる。最後には、ジェイドとマリアがハイタッチする様子も確認できる。(リアルサウンド編集部)