IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦しているマツダチーム・ヨーストは4月13日、カリフォルニア州ロングビーチ市街地で行われた2019年シーズン第3戦に挑み、77号車マツダRT24-P(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス組)が総合4位、僚友55号車マツダ(ジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル組)は8位となった。
開幕戦デイトナ24時間、第2戦セブリング12時間と続いたロングディスタンレースとは異なり、わずか100分のスプリントレースとして行われた第3戦ロングビーチ。シリーズ最高峰カテゴリーのDPiクラスに2台のマツダRT24-Pを投入するチームは12日の予選で77号車マツダが6番手に。55号車は僚友を上回る5番手タイムを記録したものの、予選中のクラッシュの影響でモノコックを交換する必要があったことから、決勝ではペナルティを受けクラス最後尾の11番手からスタートすることとなった。
迎えた13日の決勝では5番手グリッドからスタートを切った77号車マツダのヌネスが、オープニングラップで先行するライバル車2台を交わして3番手に浮上する。その後、もう1台をパスして2番手に順位を上げたヌネスは、スタートから約30分後に導入されたフルコースイエロー(FCY)時にピットインすると、レース後半にはヌネスから代わったジャービスが実質的なレースリーダに躍り出る。
しかし、スタートから1時間を超えたタイミングで訪れた2度目のピットではライバルのキャデラックDPiとアキュラDPiにアンダーカットを許して4番手に後退。ジャービスは挽回を図るものの逆転は叶わず。そのまま1時間40分後のチェッカーフラッグを受けた。
一方、決勝前にモノコック交換を強いられた55号車マツダは、ボマリートがスタートを担当すると11番手から6番手にジャンプアップを果たす。だが、その翌周、ボマリートは後方からオーバーテイクを仕掛けてきたライバルと接触しスピン、ターン8のウォールにヒットしてしまう。
これで再び最後尾まで順位を落とした55号車マツダだったが、ピットでの修復後にレースに復帰すると、最終的に8位で完走を果たしている。
「今週末のチームの努力は、本当に誇りに思う。55号車を修復し、グリッドに着けるため彼らは長い時間ガレージに張り付きとなったんだ」と語るのは、マツダUSAモータースポーツを率いるジョン・ドゥーナン。
「アクシデントを乗り越え、ジョナサンの55号車はオープニングラップで5台を抜き、トリスタンの77号車も2台をオーバーテイクしてみせた。彼らの鬼気迫る走りは素晴らしいものだったと思う」
「77号車はその後、優勝に手が届く範囲にいたが、給油タイミングによって(悲願の優勝を)達成することができなかった。市街地コースはフルコースイエローが多く、タイミングを見計らうのは非常に困難だ」
「それでも彼らの走りには満足している。マツダUSAの地元レースで、従業員やファンによい走りを見せることができたと思っているんだ」
■1991年式の『マツダRX-7 GTO』がクラシックGTOレースに出場
また、55号車マツダのボマリートもマシンの修復に時間を費やしたスタッフを労う。
「とてもタフな週末になった。僕たちのチームクルーは、完璧にクルマを修復してくれた。それは賞賛に値すると思うよ」
「そのおかげでクルマの調子は非常によく、スタートで数台をパスすることができたのだからね。しかし、その後はアクシデントがあり、被害を最小限にしようとしたけれど、スピンしてタイムを失ってしまった」
「クルマが速かっただけに残念だよ。それでも後半のハリー(・ティンクネル)は良いペースで走ってくれた。次のミドオハイオでは勝利を目指すよ」
僚友77号車マツダのヌネスは「スタートでは、5番グリッドから3位に上がれてとても気持ちよかった」とコメント。
「(今日のレースは)僕たちがトップグループで戦えることを証明したと思う。ピットワークもオリバー(・ジャービス)のプッシュもとてもよかったのだけど、後半はペースが上がらずポジションを失ってしまった」
「(ペースダウンは)タイヤのグリップが保たなかったみたいだ。(原因は分かっているから)次のレースに向けて、前向きにいきたいと思う」
インディカー・シリーズとの併催イベントとなったロングビーチラウンドでは、往年のIMSAシリーズ参戦車両によるクラシックカーレースが行われ、マツダUSAからはロータリーエンジンを搭載した1991年式マツダRX-7 GTOが参戦した。
ジョエル・ミラーがドライブしたこのマシンは予選で2位を獲得すると、決勝でもアメリカンV8や大排気量ターボエンジンを搭載したライバル車を相手にポジションを譲らず。唯一のロータリーエンジン車として軽快な4ローターサウンドを轟かせながら、ニッサン300ZXに次ぐ2位でチェッカーを受けている。