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元へきトラハウス・へきほーインタビュー 解散後の心境、初個展開催の経緯を語る「動き出すことができたのはエイジの影響」

2019年04月18日 13:51  リアルサウンド

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 思い切りがよすぎる性格と憎めないキャラクターで、多くのファンを抱える人気YouTuber・へきほー。4月6日には所属していた3人組グループ・へきトラハウスが発展的解散を発表し、それぞれが「本当にやりたいこと」にフォーカスすると発表していたが、その第一歩として、へきほーは初の単独個展「お前らYouTubeなんて見るな個展見ろ」を5月4日~6日までの期間中、デザインギャラリーフェスタ原宿で開催する。個展の準備を精力的に進めるへきほーに、そのコンセプトや開催経緯、解散後の心境までを聞いた。(編集部)


「エイジに尊敬されるものを描きたいなと思って……」


ーーへきほーさんといえばイラストや書道の腕前が以前から評判でしたが、専門的に勉強した経験があるのでしょうか。


へきほー:絵はとくに習ったことはないんですけど、もともと好きで、よく授業中とかに描いた絵を友達に見せて「気持ち悪い!」って言われて引かれることを楽しんでいたんです(笑)。書道のほうは、小学校1年生の時から14年くらい書道教室に通っていました。


ーー個展のメインビジュアルは神々しいものになっていますが、どんなコンセプトで制作していますか?


へきほー:思いついたものをどんどん描いているんですが、基本的に書道と絵の合体みたいなところで、「グロテスク」まではいかないけれど、和のテイストが混ざった「気持ち悪いけれど、少し可愛らしくカオスなもの」を描きたいと思っています。



ーー「気持ち悪い」という感情もエンターテイメントになる、という発想ですが、そう思われたいという願望は、YouTubeでの活動にも影響していますか?


へきほー:めっちゃ影響してると思います! 本当に初期の頃はえぐいことばかりしていましたし、人が引いてしまうような気持ち悪いものを見せたいんだと思います。感情の裏返しというか、人と接することがあまり上手じゃないので、まず「こいつ何?」って思われたいというか。イラストや書道で表現するのも、コミュニケーションの手段なんですよね。


ーーなるほど。へきほーさんが作品制作で影響されたアーティストはいますか?


へきほー:高校生の時からずっと野性爆弾のくっきーさんが好きです。最近も「くっきーランド」(中国や台湾でも開催された、くっきーの巡回展)に行きました。くっきーさんはえぐさを「おもしろい」に昇華しているのがすごくて、驚かされますね。ずっとアングラでやっていくのかなと思っていたので、いま世間で認められてテレビ出演が絶えないのもすごいと思っています。あとは会田誠さんや田名網敬一さんにも影響されています。


ーー以前から個展を開きたいという思いは語られていましたが、今回、開催に至ったのはきっかけがあったのでしょうか。


へきほー:確かにずっとやってみたいと思っていて、一昨年くらいから動画の中でも「やりたい」と話していたんですよね。でも、全然実行に移せなくて。本当に開催に向けて動き出すことができたのは、やっぱりエイジ(人気YouTuberグループ・アバンティーズのメンバー。2019年1月1日、旅行先のサイパンで亡くなった)の影響です。彼が「へきほーさんのことめっちゃ尊敬してます、絵がめっちゃ好きです!」って、すごい褒めてくれてて、彼に尊敬されるものを描きたいなと思って……という綺麗事っすかね(笑)。でも、人間はいつ死ぬかわからないしーー。



ーーやるべきことはやろう、と。そんな個展に、どんな人に来てもらいたいですか?。


へきほー:ファンの人はそんなに来て欲しくないです!(笑) 僕じゃなくて、作品を見に来てほしいというか……。なので、1人のアーティストとして見てほしいです。今回はYouTuberじゃなくてアーティストなので!(笑)



 「ジンくんが嫌われ者をあえて買ってくれて、自分たちのケツを叩いてくれた」

ーーへきトラハウスの解散はファンに大きな衝撃を与えましたが、すでにそれぞれの道を歩き始めています。いまも相方の相馬トランジスタさん、そして途中から加入したカワグチジンさんと3人で活動したことが、成長につながったという実感はありますか。


へきほー:めちゃくちゃありますね。俺と相馬さんは、以前はだらしなくて、毎日投稿とか絶対に無理だったのに、1日に2本投稿できるようになったり。昔よりもちゃんと仕事としてYouTubeをやることができるようになって、良い意味で商業的な感覚ができてきたというか。ジンくんが嫌われ者をあえて買ってくれて、自分たちのケツを叩いてくれたからこそできたことだと思います。


 それまでは自分たちは凝り固まった考え方しかできなくて、「過激系じゃないとダメだ!」くらいにまで考えていたんですよ。でも、見ている人それぞれの「面白い」があって、自分にとって全然面白くないことも、別の人にとっては面白かったりするんだなと分かるようになりました。そんな自分とは違う感性の人たちさえも巻き込んだ上で「面白い!」って言わせた時に気持ちがいいなって思いましたね。



ーーしかも、自分が本当にやりたいことにこだわった上で、ということですね。


へきほー:そうですね。このまま活動を続けていて、本当の意味で自分は幸せなのか、という疑問が出てきてしまって。自分が本当に面白いと思ったことに対して、面白いと言ってくれるファンを増やしたいし、そこで評価されたいと。


 個展に関しても、初めてでどうしていいかまだ悩んでいるところがたくさんあります。でも、自分はやっぱり言葉で表現するのが苦手なので、絵と書道で自分の精神を表現しようと思っています。「へきほーってこういう一面があるんだ!」というのを見てほしいです。それで「気持ち悪い」って思ってもらいたいですね(笑)。


(文・構成=平沢花彩)



「お前らYouTubeなんて見るな個展見ろ」詳細

開催期間:2019年5月4日~5月6日
開催場所:東京都渋谷区神宮前3-20-2
デザインギャラリーフェスタ原宿102
チケット;500円(当日券のみ)
※混雑時には入場規制と整理券配布を行います。


ご鑑賞にあたり
・作品にはお手を触れないようにお願いします。
・会場内での飲食は禁止です。
・会場内での写真撮影は不可となります。(一部撮影スペースあり)
・大きなお手荷物は作品保護の為、会場内に持ち込むことが出来ません。お荷物のお預かりはできませんので、事前に付近のロッカーに預ける等ご対応をお願いいたします。
・スタンド花は展示スペースのご用意がないため不可となります。
・当日受付にてプレゼントBOXを用意いたします。送り主のお名前を記載の上お持ちください。
詳細は個展アカウントで順次告知しています。
@HEKIHAKOTENSURU