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今年の新入社員、仕事よりも「プライベート優先」が8割 「安定志向」も強い傾向

2019年04月18日 07:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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日本能率協会は4月16日、「2019年度新入社員意識調査」の結果を発表した。調査は今年3月下旬から4月上旬にかけて、同社運営の新入社員向け公開教育セミナー参加者384人を対象に実施。インターネット上で回答を得た。

5月より新しい時代(令和)を迎えることに対して、世の中が良くなる期待を持てるか聞いてみたところ、「大いに期待できる」「期待できる」と回答した人も合わせて約4割という結果となった。一方で「どちらとも言えない」という人も39.6%いた。

仕事とプライベート、どちらを優先したいか聞いたところ、「生活(プライベート)」と回答した人が30.7%、「どちらかというとプライベート」と回答した人が47.4%となり、プライベート優先派が約8割という結果となった。

「定年まで一つの会社に勤め続けたい」派が6割以上

平成全体の流れを見てみると、1989年度調査では「仕事優先派」と「プライベート優先派」がそれぞれ3割弱で拮抗。しかし1999年度調査では「仕事優先派」が4割弱で「プライベート優先派」2割弱を大きく上回る結果となった。

2009年度調査では「仕事優先派」が3割、「プライベート優先派」が2割と、依然として「仕事優先派」が多いものの、両者の差は縮まり、シフトチェンジの兆しが見られた。そして2019年度調査では「プライベート優先派」が「仕事優先派」を大きく上回る結果となった。

調査元はこの結果について、

「東日本大震災など未曾有の災害を経験したことや過労死、働き方改革といった出来事を背景に、平成31年間の仕事の軸が会社から個人へと移行したことが読み取れます」

と分析している。

また、一つの会社に勤務し続けたいか聞いたところ、「定年まで一つの会社に勤めたい」「どちらかというと定年まで一つの会社に勤めたい」が合計62.7%、「機会があれば転職・独立したい」が合計37.2%と、定年派が転職・独立派を大きく上回っている。1989年から1999年にかけて増加傾向にあった転職・独立派だったが、近年は「安定志向」にあるようだ。

自身の働く目的について聞いたところ、1位は「自分の能力を高めること」で49.7%と約半数を占める結果となった。前年度からも15ポイント以上あがっている。2位は「仕事を通じてやりがいや充実感を得ること」で42.4%。3位の「社会の役に立つこと」は37.5%で、前年度から約10ポイント増加している。

「働いている会社が社会の役に立っているかを、どの程度重要視しているか」という質問に対して約9割の人が「とても・やや重要だと思う」と回答した。就職や入社にあたり、企業の社会性を基準にしている新入社員が増えていることが見受けられる。