ダニエル・リカルドは、彼のF1キャリアが暗礁に乗り上げているという批判を、まったく気に留めていない。
リカルドは自由に乗りこなせるレッドブルのマシンから、より不安定なルノーのマシンに順応するという点で少し時間を必要としている。ところが一部の人々は、彼がここのところ結果を出していないという部分だけで判断を下そうとしている。
「サッカーのようなものだよ」とリカルドは上海で語った。
「ハットトリックを決めたある選手が、次の2試合では1点も得点できないようなものだ。そうすると『何が起こったんだ?』と聞かれることになる。でも彼は1、2週間前は試合の主役だったはずだ。どのスポーツでもトップレベルにいると、人々からいつ何時も結果を出すべきだという期待をかけられる」
「だから僕は腹を立ててはいないし、理解もしている。大切なのは、やる必要のあることを自分自身で分かっていることだ」
「確かに、ときに人々はしびれを切らすだろう。でも自分が正しい方向に進んでいると分かっている限り、問題はない。僕はドライビングの仕方を忘れるような変わったことは、何もしていない。表彰台にはしばらく上がっていないけれど、何をすべきかはまだ覚えている」
一部の人々にとっては長い時間に思えるかもしれないが、リカルドが大きな前進を遂げるには、たった3戦しかかからなかった。
「バーレーンで主に苦戦していたことのひとつは、ブレーキングを通した感触が欠けていたことだ」とリカルド。
「多くの場合は原因が分からないまま、ブレーキを簡単にロックさせてしまっていた。レッドブルではブレーキの感触を掴めていて、それが間違いなく僕の強みだった。オーバーテイク時や、(予選での)一発勝負の時に、その感触と自信とともにブレーキングをしていたんだ」