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婚活サイトはマンション勧誘との出会いの場…恋した彼はただのセールスマン

2019年04月17日 10:21  弁護士ドットコム

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「私は恋愛感情があるのですが、彼にとってはただのお客さんだったのでしょうか」。婚活サイトで知り合った男性を信じ、マンションを買ってしまった女性が弁護士ドットコムに相談を寄せている。


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女性がマンションを購入してからしばらく経った後、男性は「出会ったころは仕事にも気持ちにもゆとりがあったけれど、恋愛できる状況ではなくなった」と一方的に別れを告げてきたという。



婚活サイトに登録しているのは、必ずしも真剣にパートナーを探している人だけではない。国民生活センターは「婚活サイトなどで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売に注意」(2014年1月23日)と警鐘を鳴らしたが、現在も被害に遭う人は少なくないようだ。マンションだけではなく、高額なジュエリーを買わせるなどの被害もあったとされる(毎日新聞・2018年11月9日)。



出会いの場を提供した婚活サイト側に責任はないのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。



●婚活サイトは「出会いの場」を提供しただけ

「たしかに、不当なデート商法を仕掛けてくるような人物と知り合ったのが婚活サイトだとすれば、そのサイト運営者にも責任があるようにも思えます。



しかし婚活サイトは、ただ出会いの場を提供したに過ぎません。サイトに登録している利用者が、違法行為を行うような人であるかどうか、認識するのは困難です。



ですから、出会った相手に悪質な違法行為をされたとしても、サイト側の法的責任を問うのは難しいでしょう」



●婚活サイトと業者がグルの場合は・・・

では、もしもサイト側が、悪質なマンション勧誘業者とグルだった場合はどうだろうか。



「はじめからグルだった場合は、婚活サイト側にも、一定の賠償責任が認められる可能性があります。



また、登録者の本当の目的が婚活ではなくマンションの勧誘であることを、サイト側が知っていながら、登録を認めたり退会させなかったりした場合も、賠償請求できるでしょう」



つまり、婚活サイト側の関与の仕方によっては、賠償責任が認められる場合もあるということだろう。



●「本当に信頼できる相手かどうか」冷静に見極めて

最後に石井弁護士は、婚活中の人に向けて、次のようなアドバイスを送っていた。



「紹介された相手が何らかの勧誘などをしてきたときには、本当に信頼できる相手かどうか冷静になって見極める必要がありますし、婚活サイトを利用するのであれば、登録者の審査や身元確認をある程度きびしく行なっているサイトを選ぶべきでしょう」



信頼できる結婚相手を見つける前に、信頼できる婚活サイトを見極める目が求められているようだ。



(弁護士ドットコムニュース)




【取材協力弁護士】
石井 龍一(いしい・りゅういち)弁護士
兵庫県弁護士会所属
事務所名:石井法律事務所
事務所URL:http://www.ishii-lawoffice.com/