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チャンネル登録者200万人突破目前! ゲーム実況者・キヨ(最終兵器俺達)はなぜ人気なのか?

2019年04月17日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 人気ゲーム実況者・キヨのYouTubeチャンネルが、登録者200万人突破を目前に控えている。この機会に、現在はニコニコ動画とYouTubeという2つのプラットフォームを股にかける彼の活動を振り返り、その魅力を紹介していきたい。


(参考:乃木坂46の西野七瀬もハマるゲーム実況者「ガッチマン」って何者?


 キヨは「最終兵器俺達」というゲーム実況者のグループのメンバーだ。「最俺」はキヨ、フジ(ゲーム実況者わくわくバンドのベーシストとしても活躍)、ヒラ、こーすけの高校の同級生4人からなり、それぞれが個人チャンネルを持ち活動している。


 そもそもは2009年、初のゲーム実況動画として『ポケットモンスター プラチナ』をニコニコ動画へ投稿を始める。その後しばらくはニコニコ動画を中心に活動しており、『青鬼』や『魔女の家』といった定番のフリーホラーゲームから『マリオ』シリーズのプレイ動画を投稿し、飾らないオープンな実況スタイルとともに、当時のニコニコにおけるフリーホラー人気も相まってファン層を急速に広げていった。


 2014年3月にはYouTubeにチャンネルを開設。ニコニコ動画とYouTubeに動画を投稿するようになる。このチャンネル開設にあたりゲーム実況の拠点をYouTubeへと移し、ニコニコチャンネル内に「キヨの人生あまちゃんネル」を新たに設け、結果的にはYouTubeとの差別化をはかった形になった。前者はファン以外も楽しめるオープンなコンテンツがメインで、後者はファン同士のコアなコミュニティだと考えてもらうと分かりやすいだろう。


 現在は、レトルト、牛沢、ガッチマンにキヨを加えた「日本トップ4(自称)」のメンバーに最俺のフジを加えた5人で、ゲーム実況イベント「LEVEL」シリーズを定期的に開催するほか、ニコニコ公式の番組や多数のイベントにも参加するなど、動画の枠を超えた活躍をしている。昨年の12月26日に行われたイベント「LEVEL.4」はさいたまスーパーアリーナを埋めるほどの大人気で、これはゲーム実況のイベントとしては初の快挙となった。


 さて、そんな「キヨ」とはどんなゲーム実況者なのかというと、自由奔放な言動と奇想天外すぎるキャラクターが特徴で、いい意味で非常に騒がしい。例えば、2014年7月より定期的に投稿している人気のシリーズ『マリオカート8(DX)』では、回を追ってプレイが上達するなかで、走行を妨害する対戦相手に“暴言”を連発。口が悪くても憎めないのがキヨの一つの魅力であり、視聴者からは「チンピラ」などと揶揄されながら、その言葉にも愛が感じられる。コメント欄を見ると、ニコニコ動画時代から応援している視聴者が多く見受けられるが、やんちゃなわが子を見守るような目線を感じるのも面白いところだ。


 キヨの小学生男子のような発想が爆発的な面白さを生んでいるのは、現在も進行中の『ネコ・トモ』実況だ。ネコに言葉を教えながら一緒に生活できる、というほんわかしたゲームなのだが、キヨの手にかかれば180度異なるゲームへと様変わりしてしまう。キヨが教える言葉は、全て下ネタもしくはただの悪口。これによって可愛らしいスローライフゲームが一気に低俗なゲームに変貌してしまうのだが、下ネタを躊躇なく話すネコに思わず笑ってしまう。ゲーム性とのミスマッチがおもしろく、比較的最近のシリーズにも関わらず、すでに視聴者の間では「伝説」とまで言われるシリーズになっている。


 実写動画においてもキヨの特異なパーソナリティはいかんなく発揮されている。例えば、毎年お正月には「最俺」メンバーと一緒に地元・北海道で撮影が行われているのだが、ここで発表される一年の目標があまりにもぶっ飛んでいたり(「女優さんと友達になる」や「セクシー女優になる」など)、いい年した男同士でイチャイチャと仲良くソリを楽しんでいたり、ゲーム実況の枠を超えても無邪気さを発揮している。このようにゲーム実況にしろ実写動画にしろ、視聴者はいま抱えている悩みすら馬鹿らしく思えてしまうほど、全力で子供のように楽しんでいる姿に魅了されていくのだろう。


 また他にもレトルトとともに楽曲「全く身にならない日々」を投稿。アーティストとして違った一面を見せてくれている。この楽曲は作詞作編曲をキヨとも親しく実写コラボも度々している歌い手のまふまふが手がけていることでも話題になり、再生回数は1000万回を記録している。またキヨの普段の振る舞いからは想像できない芯の通った歌声、そして、ともにラジオ動画を投稿してきたレトルトとの関係性を知っているからこそ歌詞に共感できる部分もあり、より一層楽曲の良さを引き立てている。二人の関係性を知らずとも楽曲単体として高いクオリティと言える出来となっているので、ぜひ一度聴いてみることをおすすめしたい。ゲーム実況とのギャップに驚かされることだろう。


 ニコニコ動画で2009年の初投稿から始めてから10年が経過した今年、ついにYouTubeでもチャンネル登録者200万人を達成したキヨ。いちファンとして、今後も天真爛漫なキャラクターから生まれる、型破りな動画に期待したい。


(川崎龍也)