レプソル・ホンダ・チームにとって、MotoGP第3戦アメリカズGPは厳しいレースになった。マルク・マルケスはトップを独走中に転倒し、ホルヘ・ロレンソにはマシントラブルが発生。ふたりともリタイアという結果に終わった。
2013年以来、アメリカズGPで6年連続優勝し続けているマルケスは、予選でポールポジションを獲得。7度目の優勝に向け、盤石かと思われた。レースでは序盤から抜け出し、トップを独走。8周目を終えるころには、2番手のロッシに3秒以上の差をつけて独走態勢を築いていた。
しかし9周目、トップを独走していたマルケスは、12コーナーでフロントを切れ込ませると、そのままスリップダウン。すぐにマシンを起こし、レースに復帰しようとするマルケスだったが、エンジンがかからず、そのままリタイアとなった。
マルケスの転倒は、自身のブレーキングミスが原因だったという。
「大きなミスを犯してしまった。ガレージに戻り、チームに謝罪したよ。ファンのみんなにも謝りたい。転倒は僕のミスだから。5番手を走っているときにミスをするのと、トップでミスをするのとではわけが違う」
「チャンピオンシップで、ランキングトップのリンスからは9ポイント差だ。人間だから、ミスをすることもある。このミスから学ばないとね」
チャンピオンシップでランキング4番手に後退したマルケス。「(次戦)ヘレスではより強くなって戻ってくるよ」と、次のレースに気持ちを向けていた。
一方、ロレンソにはアメリカズGPの週末で不運が続いた。Q1から臨んだ予選では、トップタイムをマークしてQ2へ進出。得意ではないアメリカズGPで気を吐いた。しかしQ2の開始間もなく、ロレンソの駆るホンダRC213Vにトラブルが発生する。ロレンソはその後、スペアマシンに乗り替えて11番手で予選を終えた。
決勝レースでも、ロレンソをマシントラブルが襲った。10番手付近を走行していたロレンソは、11周目にスローダウン。コースを外れてそのままコースサイドでマシンを停止し、ここでレースを終えた。
その原因については、予選で起きたトラブルとは違うものだという。決勝レースでのマシントラブルの原因は、究明中ということだ。
「スタートはよくなかったけれど、ポジションを回復することができた。残念なことにバイクに問題があって、リタイアすることにしたんだ。ただ、いつも苦しんでいるこのサーキットでいい感触があったことはよかったね」
マルケス、ロレンソとともに、3番手からスタートしたカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)も転倒リタイア。ホンダ勢で唯一完走した中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、10位フィニッシュで終えている。
レプソル・ホンダ・チームにとってのみならず、アメリカズGPはホンダ勢にとって苦しい結果となった。