バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がMotoGP第3戦アメリカズGPで、2位表彰台を獲得した。ロッシにとってアルゼンチンGPに続く、2戦連続の2位。しかし、ロッシの胸中は複雑だった。
アメリカズGPのレースが動いたのは9周目だった。スタートから抜け出し、トップを独走していたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が12コーナーで転倒を喫する。優勝候補筆頭のまさかのリタイアだった。
マルケスのリタイアにより、2番手を走行していたロッシがトップに浮上した。ロッシはマルケスの転倒を見て、「よし、勝てる」と自分自身に言い聞かせたという。トップを走るロッシ。しかし、その後方にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が迫っていた。
ロッシは残り4周でリンスに交わされてしまう。続くコーナーでリンスに仕掛けるも、クロスラインでリンスが先行。残り2周の11コーナーでは、ロッシがややラインを外すミスもあった。ロッシはそのまま、2位でチェッカーを受けた。
「僕は本当に最大限に攻めたし、速さもあった。けれど、リンスの方が僕よりも速かったんだ。僕もよく乗れていたと思うけれど、リンスをオーバーテイクできなかった」
「最大限まで攻めて、僕自身のミスもあった。もしすべてが完ぺきにできていたら、ラストラップにもう一度、リンスに仕掛けることができたかもしれない」
最終ラップではリスクを考え、リンスに勝負を挑むのではなく2位を獲得する方を選んだというロッシ。優勝が見えていただけに今回の2位を手放しで喜ぶことはできないが、結果には満足もしている。
「複雑だよ。勝てなかったことは残念だ。けれど、今週末をとおしてよかったし、いい結果だったとも言える」
この結果により、ロッシはポイントランキングで2番手に浮上した。2戦連続の2位に、ロッシは手ごたえを感じているという。
「20ポイントはチャンピオンシップにとって重要だ。今シーズン、僕たちはとても強いと思うし、バイクも改善されている。それはとても重要なことだ。きっと、今シーズンはトップ争いをたくさん展開できるんじゃないかな」
一方、チームメイトのマーベリック・ビニャーレスはロッシと対照的なレースとなった。ビニャーレスはジャンプスタートにより、ライドスルーペナルティを受けたのだ。ビニャーレスはペナルティを勘違いしたようで、ロングラップペナルティのレーンを走ってしまった。その後、ピットレーンを走って正しくペナルティを消化。大きくポジションを落とした。
それでもビニャーレスは、「ライドスルーペナルティのあと、ペースはとてもよかった。2分4秒台を出せていたんだ」と、ペースには満足している。
ロッシ、そしてヤマハの復調は間違いなさそうだ。