トップへ

出版社の枠組みを越えた小説プラットフォーム「LINEノベル」始動 新たな才能を発掘・共有、書籍化同時オファーも

2019年04月16日 15:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 LINE株式会社は、新たなコンテンツ事業として、出版社の枠組みを越えた小説プラットフォーム「LINEノベル」を本日より提供開始した。


(参考:『LINE』グループトークが開けない・落ちるなどの不具合が継続中


 「LINEノベル」は、書き手が自由に小説の投稿ができることはもちろん、様々なカテゴリの人気作品を読むことも可能。最大の特徴は、従来の出版業界の枠組みである『投稿作の独占出版』を行わず、参画しているすべての出版社で新たな才能の共有・発掘を行う『あたらしい出版のカタチ』を取るという仕組みだ。


 「LINEノベル」に参画している出版社は、投稿者へ「書籍化」のオファーを出すことができ、オファーを受けた投稿者の情報は、すぐさま参画しているすべての出版社で共有され、他の出版社もその投稿者へオファーを出すか出さないかを選択することができる。これにより、投稿者は各社からのオファー条件を踏まえて「書籍化」する出版社を決定することが可能なため、自らの可能性を最大限に活かせるパートナーと出会う、というものらしい。


 さらに、「LINEノベル」でも、歴代担当作品の累計部数が6,000万部を突破するなどライトノベルを牽引する株式会社ストレートエッジの三木一馬氏を統括編集長に迎え、新レーベル『LINE文庫』『LINE文庫エッジ』を創刊。各出版社と同じく人気作品を世に送り出す体制を整えた。


【参画出版社(レーベル)】(五十音順)
株式会社KADOKAWA 株式会社講談社 株式会社新潮社 株式会社集英社 株式会社実業之日本社 スターツ出版株式会社 株式会社宝島社 株式会社東京創元社 株式会社文藝春秋


 また、今夏より「LINEノベル」のアプリ版も提供予定。出版社から提供される既存の人気作品だけでなく、「LINE文庫」「LINE文庫エッジ」のレーベル作品として、「原田マハ」「中村航」「鎌池和馬」など多数の人気小説家による「LINEノベル」だけの書き下ろし作品も読めるようになる。レーベル作品は、アプリ配信時に50作品の提供が決定しており、今後も作品は随時追加される。


 さらに、宮部みゆきの作品『小暮写眞館』(新潮文庫nex、全4冊)が、「LINEノベル」で初めてデジタル配信。同氏の長編小説が、電子書籍も含むデジタルで公開されたのは今回が初めてのことだ。さらに、宮部みゆきの書き下ろしエッセイ、および最果タヒの新作詩を「LINEノベル」で連載することも決定。いずれも今夏配信の「LINEノベル」アプリ限定の書き下ろしとなっている。(リアルサウンド編集部)


【「LINEノベル」参画出版社 コメント】


・株式会社KADOKAWA 電撃文庫編集長 湯浅隆明
LINEに小説を扱うサービスが登場、ということでとても期待しています。書き手にとっても読み手にとっても小説がより身近なものになることでしょう。そこからヒット作を生み出すべく電撃文庫としても協力していきます!


・株式会社講談社 講談社タイガ編集長 河北壮平
小説は、好きですか? 現代ほど数多くの面白い物語が生まれ続けている時代はありません。「LINEノベル」さんを通じ、小説を愛する人々へ、また、これまで小説にあまり親しんでこなかった潜在的な創作者と読者へ、新たな出会いが誕生することを期待しています。


・株式会社新潮社 新潮文庫nex編集長 髙橋裕介
まずは何かの作品の第一話を、読んでもらいたいです。面白かったら次の一話を、あるいは、別の作品を。そうやって「小説」を読み出すと、きっと止まらなくなります。それが小説です。たくさんの物語が読めて、書かれて、広がる。そんなプラットフォームになってほしいと思っています。


・株式会社集英社 jBOOKS編集長 千葉佳余
デジタルの時代になって、マンガはこれまで予想もつかなかった、新しい層に届き始めています。
今回の「LINEノベル」さんとの取り組みによって、“デジタルで小説を読む”新しい読者の方々との出会いが生まれることを、楽しみにしています。


・株式会社実業之日本社 代表取締役社長 岩野裕一
明治、大正、昭和、平成と、一世紀以上にわたって「読者」と「著者」を結び付けてきた出版のプラットフォームが、令和の時代に入って激変しようとする中で、「LINEノベル」は、私たちの読書習慣を根底から変える可能性を秘めている。あとは挑戦あるのみだ。


・株式会社宝島社『このライトノベルがすごい!』編集長 宇城卓秀
誰もが身近に感じているLINEだからこそ、投稿者にとっての垣根が低く、「小説はこうあるべき」というこれまでの固定観念を超えた新しい物語を生む力を秘めていると思います。LINEならではの「面白いもの」。そんな物語を世の中に広めていくお手伝いができればと思います。


・株式会社東京創元社 編集部 神原佳史
LINEさんの持つ顧客層から、読者層の広がりに期待しています。クラシックなミステリから、最新のSFまで東京創元社ならではのジャンル小説を提供させていただきます。また、これからの文芸を担う新しい才能に出合えるチャンスと捉えています。


・株式会社文藝春秋 別冊文藝春秋編集室 次長 角田国彦
読むのがやめられない物語や、読者をアッと驚かせる才能に出会うことは私たちの大きな喜びです。世の中に眠る物語たちが目覚める場所が「LINEノベル」なのかもしれません。新たな才能との出会いが今から楽しみにです!


・株式会社ストレートエッジ 代表取締役 三木一馬
僕は、小説編集者という職業に誇りを持っています。文字で組み立てられた物語は、ほかのどの娯楽媒体にも負けない最強のコンテンツであり、最高の面白さを備えていると信じています。アニメでも漫画でもゲームでも、どんなメディアのコンテンツも、『文字』で紡がれる『物語』が欠かせません。全ての元となっているのが文字の娯楽である小説なのです。そんな『小説』を作家とともに生み出すことが編集者の役割です。「LINEノベル」でも、このマインドは変わりません。最強で最高のコンテンツをここから羽ばたかせます!!


・LINE株式会社 執行役員 森 啓
統括編集を務めるストレートエッジ社そして出版社の皆様にご参画いただき、非常に嬉しく思っています。これから、全社で協力し合って「LINEノベル」を通して新たな才能の発掘を行い、小説の面白さを改めて世に広めることで、出版業界においても新たな風となれるよう、貢献してまいります。