2016年のF1世界チャンピオンであるニコ・ロズベルグによると、中国GPでのフェラーリのパフォーマンスは、SF90の空力性能が原因で十分に発揮されておらず、マシンはダウンフォース不足に大きく苦しめられていたという。
中国GPでのフェラーリは、最大のライバルであるメルセデスに対して明らかに遅れをとっていた。マシンはストレートではアドバンテージがあったものの、チームのドライバーたちはコーナーで苦戦していた。
フェラーリの2019年空力ルールの解釈では、空力ドラッグの低減に重点が置かれている。しかしフェラーリの関係者と話をしたロズベルグによると、そのアプローチがSF90の全体的なバランスを損なっているという。
「現時点でメルセデスは最大の優勝候補だ」とロズベルグはレース後に、Youtubeのビデオブログで語った。
「彼らは本当に強く見えるし、フェラーリは苦戦している。フェラーリはマシンを空力的に適正ではない状態にしてしまっている」
「彼らのマシンはドラッグが小さすぎ、コーナーにおいて十分なダウンフォースを得られていない」
「そのせいで彼らは多くのタイムを失っている。可能な限り最速のラップタイムを叩き出すという点で、理想的な状況ではないね。マシンのせいで、正しいポジションにつけられずにいるんだ」
バーレーンGPではフェラーリの空力構成が効果を発揮したものの、中国GPではそれが妨げになることが判明した。チームはマシンのダウンフォースを増加させようと、無駄な試みをしたことになる。
「彼らはもっと効果の大きなリアウイングを装着しようとしていたが、必要なだけのものがなかったんだ」とロズベルグ。
「彼らはリヤウイングを作る必要があるが、単に(新たな)リヤウイングを装着するのは効率的なやり方ではない。なぜならダウンフォースとドラッグは、1対1の割合で増加するからだ」
「それは進むべき方向ではない。やるべきことは、フロントウイングやエンドプレートのような、マシンの他の部分から効果を得ることだ」
「それが今、重点を置かなければならないことだ。だがそれには多くの作業が必要になる。時間がかかるのはあまり良いことではない」
ロズベルグは、バクーで行なわれる次戦アゼルバイジャンGPで、フェラーリが大きく改善を見せるかどうかは定かではないという。
コースにある非常に長いストレートはフェラーリのSF90にとって有利であることが証明されるだろう。しかしそのようなアドバンテージも、1周を走るうちにすぐに薄れてしまう。コースレイアウトには多くの低速コーナーが含まれているからだ。
「バクーについては、確かなことは分からない」とロズベルグ。
「多くの低速コーナーがあり、そこでフェラーリはタイムを失うだろう。そして多くのストレートで彼らは巻き返すだろう」
「フェラーリが前に出られるコースであるかどうか、判断するのは非常に難しい。様子を見ることになるだろう。今の時点では、メルセデスがどのコースでも先頭になると僕は思う。たとえバルセロナでもね」