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「レイドバッカーズ」日高里菜&長縄まりあ&藤田咲が語る見どころは? 伝統ゲーム「投扇興」にも挑戦【インタビュー】

2019年04月16日 13:02  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

藤田咲さん、長縄まりあさん、日高里菜さん
“平成最後”と銘打った劇場オリジナルアニメ『レイドバッカーズ』が、4月5日(金)より2週間限定で上映中だ。

本作は、狂戦士の三乃ハラミ、元魔王のらん、といった異世界の住人が現代日本の京都へ“逆転生”し、自分たちの故郷とは全く異なる平和な京都をエンジョイしつつ、ときには過酷な戦いへと身を投じる脱力系エンターテイメントだ。

そんな『レイドバッカーズ』公開を記念し、三乃ハラミを演じる日高里菜さん、らんを演じる長縄まりあさん、鷲ノ宮優子を演じる藤田咲さんにインタビューを敢行。
さらに今回、京都を舞台にした作品ということで、日本の伝統的ゲーム「投扇扇」にチャレンジいただいた! 果たして勝負の行方は……?
[取材・構成=山田幸彦/撮影=小原聡太]

■「“逆異世界転生”の前はどう過ごしていた?」想像の余地を残すキャラ描写が魅力
――まず、台本を読んだ際の作品の第一印象はいかがでしたか?

日高
とにかく、キャラクターたちが生き生きしている印象でした。
当たり前のようにハラミたちが京都で充実した転生ライフを送っていることにびっくりしました。

長縄
前の世界ですごく強かった人たちがニートっぽくなってしまうほど、現代って平和なんだなって思いました(笑)。
過酷な生活をしていた人たちがこっちに来て楽しそうに暮らしている姿を見ると、素直に「よかったねえ……」と優しい気持ちになりましたね


藤田
キャラクターに対して観る人たちのイメージを膨らませるような物語が魅力的でした。日常パートをまったり見せつつ、「転生前はどう生きていたのか?」が徐々に開示されていく。想像の余地がたくさんあるし、1本の映画としても楽しめる作品になっている印象でした!

日高
可能性が詰まってるんですよね。観終わってから想像するのも楽しいですし、もっともっと観たいってみんな感じるんじゃないかなと思います。


――確かに、彼女たちの過去に関しては、察することができる程度に抑えられていましたね。

日高
あと、優子先生もすごく気になりますよね(笑)。絶対何かある気がします。

――何も言わずにらんを家に住ませていますからね。

日高
ふたりでいるときに、らんがちょっと頬を赤らめたりと、距離感がすごいんです!

藤田
ところどころ意味深だったね……。

長縄
「転生してから今までふたりの間で何があったんだ!?」って勘ぐっちゃいますよね……。


日高
優子先生とらんのシーンはセリフで説明し過ぎず、表情と絵のみで見せる感じが大人っぽいですよね。部屋もなんだか暗いですし。

藤田
あと「あんな暗い家に住む!?」っていう(笑)。どのくらいの年齢層の方が観るかわからないけど、若い男の子だとドキドキしちゃうよね。

日高
します、します!

――それぞれのキャラクターの第一印象や演じられてみてイメージが変わった部分はどうですか?

日高
ハラミと出会ったのはオーディションのときでしたが、とにかくまっすぐ素直な子という印象です。
好きなものがはっきりしていて、やりたいことがあればやらなきゃいけないことを放っておいても没頭しちゃう、みたいな。公式サイトのキャラクター紹介にも「精神は小学生男子」と書いてあるぐらいですから(笑)。

でも、周りに困っている人がいたらすぐに気づいて、さらっと助け舟を出す一面もあります。そういう部分は「カッコいいな!」と。
随所でハラミの良い子具合がみなさんにも伝わると嬉しいです。


長縄
ハラミちゃん、器が大きいですよね(笑)。
私もオーディションのときに初めてらんと出会ったのですが、最初、魔王だったときの行いに対する責任や罪悪感、償い……そういうものをすごく背負った子なのかなと思っていたんです。
でも、収録で日常の何気ないシーンや優子先生とのやりとりを演じていると、重たい感情も持ってはいるけれど、逆転生した現代でやりたいことを、周囲のみんなに頼りつつ行っていくという、等身大の可愛い小学生なんだなって感じましたね。


――優子先生は現代の日本に生きる人ながら、逆異世界転生をしてきた彼女たちと同じくらい謎めいていますよね。

藤田
優子は容姿端麗で完璧な女性だとみんなが認識してるんだけど、家の中だと下着で歩くような人……という設定ですが、実は世の女性たちはわりとあんな感じじゃないかな? と思いました(笑)。
ただ、普通の女性と見せかけて、セリフの端々で深いことを言っていたり、深いようで適当なことを言っていたりもして、底が見えないんですよね。
私はそこの深い部分で何を考えているかをあえて定めないようにして、現代にいそうなんだけど、「他の人とは一線を画してますよ?」ということを伝えられたら、と考えていました。
物語の根幹には関わってきませんが、そういうミステリアスな部分がみなさんに引っかかって、「優子先生好きかも……」と思ってもらえればいいですね。


日高
現時点で、キャストのみんな虜になっていますよ!
Kを演じる大地葉ちゃんも優子先生が好き過ぎて、イベント中ずっと「あのふたり(らんと優子)がいいんじゃ~!」って話をしていて(笑)。

長縄
策にハマってますね!(笑)。

藤田
そういう人が増えればいいなあ(笑)。

■「自由にやってください!」チャレンジ大歓迎なアフレコ現場
――収録時に橋本裕之監督や脚本の上江洲誠さんから受けたオーダーはありましたか?

日高
「自由にやってください!」って感じでしたね。

藤田
「信じてますから!」と言われただけです(笑)。

日高
今回のメインキャストは、過去にどこかで橋本監督や上江洲さんと関わり合いがある人たちが多かったんです。
それもあってか最初の挨拶で「楽しい作品を一緒に作っていきましょう!」という明るい雰囲気でした。

劇場版の収録って、1回集まってその1回きりで終わりということも多いので、緊張感や不安が大きいんです。
でも今回は、その挨拶で緊張がほぐれました。とりあえずやりたいことをやればいいし、違えば言ってもらえると思って、良い意味で肩の力を抜いて挑むことができました。

長縄
私もリラックスして演じられました。独特の良い雰囲気がありましたよね?

日高
そうですね。
基本的には「自由にやってください」という方針でしたが、ハラミに関しては「戦うところはもっと楽しそうに」とディレクションをいただきました。
劇場版なので「バトルシーンは見せ場だ!」というイメージがあったので、シリアスに演じていたんですが、もうちょっと余裕があったほうがハラミらしいと言っていただいて。
だから、バトルシーンのハラミは少年らしさのある感じになっていると思います。

長縄
日常パートから収録を始めて、バトルシーンは最後に録ったんですよね。

日高
そうそう。日常からスタートしたほうがキャラクターを掴めるからって。

藤田
私は戦わないけど、その録り方は、演じる側は嬉しかったんじゃないかな、と思いました。

日高
嬉しかったです。いろいろな場面でこちら側を気遣ってくださって、暖かい現場でしたね。

――日常パートの良い意味でゆるい雰囲気は、その現場の暖かさが現れているんですね。

日高
そうかもしれません。日常パートは、本当に楽しかったですよ!
そもそも、ここまで日常ものとはオーディションのときには思っていなかったんですが(笑)。

長縄
ポスターでも戦ってますもんね(笑)



――日常パートでもシリアスパートでも、犬として転生してしまったアーネリアの姿がとにかく印象的でした。


藤田
ズルいですよね(笑)。真面目なシーンでも足音がぴょこぴょこ鳴ってるし、やたらキラキラしてたり。

長縄
「あのキラキラは、何なの!?」って気になってしょうがないですね。

日高
みなさん1回目はどうしてもアーネリアさんに目が行ってしまうと思うので、2回目からは他のキャラにも注目してください!(笑)。

■キャスト陣の考える、“転生したらこの役職”は?
――それぞれ印象に残ったシーンを教えてほしいです。

日高
アーネリアとハラミの過去を描いたシーンです。
ハラミの株が一気に上がるなと思うぐらいふたりの関係性が見えたので。台本を読んだ時点で素敵だったのですが、収録では(内山)夕実さんとのかけ合いでよりグッと来るものに仕上がったかなと。
日常パートでは見えない一面が垣間見えるので、過去のシーンは要チェックです!

長縄
私はたくさんあります!
優子先生とのシーンはどれも好きです。ハラミちゃんとのかけ合いは、らんと同じように私自身も緊張していたんですけれど、優子先生と話すときはリラックスできるんです。
優子先生は、「私生活はちょっと……」なところはあるんですが(笑)、一緒にいると私もらんも心が暖かくなる存在なんですよ。
やっぱり先生なんだなと思って、どれも印象に残っています。

藤田
私、実は優子先生以外の役も担当しているんです。アーネリアのお尻を舐める犬も(笑)。
ぜひ脇のキャラまで見落とさずにチェックしていただければと!

日高
あれは確かに印象に残ります(笑)。

藤田
あんなことする役、初めてだったからね……!


――本作には“逆異世界転生”という設定がありますが、みなさんが転生するとしたらどんな役職が適任だと思いますか?

日高
咲さんとは実は脱出ゲームで一緒に遊んだことがあるのですが、すっごくリーダーなんですよ!
とにかく頭の回転がすごく早いですし、周りも見ていて自分の作業も速い!

――なるほど、「姫騎士」とか合いそうですね。

日高
でも、魔術師とかも似合いそうですね。

藤田
運動するのは大変だから、魔法も良いなあ。
でも、ちゃんりな(日高里菜)も頭良いですよ。数字強いし、しかも運動も得意でしょ?

日高
ハラミみたいにガッツリ戦う系は良いかもしれないですね……!
長縄ちゃんはなんだろうなあ。

長縄
狂戦士とか武道家は向いてなさそう……(笑)。


日高
でも、武道家はギャップがあって面白いかも!

藤田
今考えた役職だけど、「羊飼い」とか可愛いかも……すごく空気の良い場所でふんわり過ごしていて(笑)。

日高
可愛い! 絶対似合うし、周りが平和になりますね。

――最後に、これから『レイドバッカーズ』を観る方々に向けて、本作の見どころをお願いします。

藤田
オリジナルの劇場作品ということで、「みなさんどんな気持ちで観てくれるかな?」とドキドキしています。
個性豊かなキャラクター、声優陣、そして肩の力を抜きつつ本気で作品に挑んだ、まさしくレイドバッカーズなスタッフ陣たち(笑)、そんな人たちが「面白い作品とはなんだろう?」と模索しながら企画したアニメです。ぜひみなさんに劇場で観てほしいです!

長縄
上江洲さんや橋本さんはシリアスな作品も作る中で、肩の力を抜いて見られる作品を作ろうと考えられていたということもあって、まったり脱力系アクションに仕上がっています。
なので、キャラクターたちのドタバタを楽しみつつ、まったりとした気持ちで観ていただけたらと思います!

日高
バトルもありつつ、ゆる~い日常が魅力たっぷりに描かれているので、気張らずに観ることができます。観た人を前向きにする作品です。
スタッフ陣は楽しく面白くという気持ちで作品作りをしていて、私たち役者陣もその気持ちに乗っかろうと頑張りました。とにかく楽しい雰囲気はみなさんにも伝わるのではないかと思います!
ぜひ劇場に足を運んでいただけると嬉しいです。きっと後悔はしません!
→次のページ:投扇興で脱力系対戦! 勝負の行方は……

■投扇興で脱力系対戦! 勝負の行方は……
インタビューの後は、京都を舞台にした本作にちなんで「投扇興」をお三方にチャレンジいただいた!

桐箱の台に立てられた「蝶」と呼ばれる的に向かって扇を投げ、命中した後の扇、蝶、台座の形で採点するのが投扇興の基本ルールだ。
だが、今回は3名とも投扇興にチャレンジするのは初めて……ということで、3回扇を投げ、外れた場合は0点、的を落とせば1点、的を落としても、台座に扇が当たった場合は0.5点、という形式で対戦していただいた!

――では、最初は日高さんから。3回チャレンジしてください!

まずチャレンジした日高さん。数回の練習を経て、緊張した面持ちで扇を構える。

日高
……行きます!

第1投は、扇は届くものの、やや右にずれてしまい失敗……。

――あと2回です……!

日高
……難しい! もっと上! もっと上だな……。

2投目にチャレンジ!


2投目も失敗。不安を覚える日高さん。

日高
ああヤバい! このままだとヤバいですよ! これ、誰も当てられなかったらどうするんですか!?

藤田
反省会だね(笑)。

――最後なので、ぜひ渾身の一投お願いします!

日高
がんばります!

後がなくなり、真剣な面持ちに……。

日高
行きます!


日高
やったー!
反省会しなくて済む……よかった……!


次に挑んだのは長縄さん。果たして、転生前のらんのように、魔王の風格を見せることができるのか……?

――真剣ですね。

長縄
がんばります!

日高
ちゃんとした競技の人みたいになっている!(笑)。

藤田
扇が似合う!

――では、1回目お願いします!

長縄
……えいっ!

命中はしたものの、台座に当たってしまい……。

日高
おおーっ!

長縄
でもダメなんですよね……難しい。

――台座に当てて落としたので0.5点ですね。では、第2投お願いします。


長縄
はい。……えいっ!

惜しくも命中せず……。

意気消沈の長縄さん

長縄
はあ……。

日高
だ、大丈夫だよ! 頑張って!

――逆にみなさん1点で並ぶと、それはそれで勝敗がつきませんからね……!

長縄
そ、そうですね。よし……最後行きます!


長縄
ああー!(泣)

藤田
惜しい!(笑)

惜しくも、長縄さんは0.5点という結果に……。


――では、藤田さんお願いします。真剣ですね……!

最後に挑むのは藤田さん。本気度の高い表情を見せた。

藤田
はい。投げるんじゃなくて指で押す感じですよね……

――脱力が重要なようです……! それでは1回目お願いします。

藤田
はい!

1投目!

届かず……。

――……待ち時間が長かったですしね!

藤田
いやでも、イメージトレーニングはしっかりやっていたので、大丈夫です! 2投目……ほいっ!

またもや届かず……。

藤田
あー、全然届かない!

――次、ラストです……!

日高・長縄
頑張ってください!

藤田
ちょっとでも届いてほしいんだけど……はっ!

的には当たらなかったけど、遠くまで飛ばせた!

藤田
やったー!

長縄
喜ぶところが変わってますよ!(笑)。

――長縄さんが0.5点、藤田さんは0点……ということで、優勝は日高さんです! おめでとうございます!

日高
やったー! ありがとうございますー!

――日高さん、優勝したご心境をひと言!

日高
勝ちましたね……嬉しいです(笑)。
投扇興、今回初めてやったんですが、予想以上に緊張しますし、熱中しちゃいました。
もっと腕を磨きたくなりますね! 他の伝統的な遊びにもチャレンジしたいです。

劇中だとゲームに熱中しているハラミをはじめ、作中の彼女は現代の文化に適応していますけど、こういう京都っぽいことにみんなが挑戦する姿も観てみたくなりました!
『レイドバッカーズ』、よろしくお願いいたします!

優勝してご満悦の日高さん。おめでとうございます!

第2弾本予告映像


≪スタッフ≫

監督:橋本裕之
脚本:上江洲誠
キャラクター原案:鈴木次郎
チーフディレクター :佐藤清光
キャラクターデザイン・総作画監督:土屋圭
音楽:kz(livetune)
音響監督:山口貴之
アニメ―ション制作:Studio五組
配給:クロックワークス
製作:LAIDBACKERS製作委員会

≪キャスト≫

三乃ハラミ:日高里菜
舞坂舞:茜屋日海夏
草薙・K:大地葉
アーネリア:内山夕実                                
らん:長縄まりあ
本天沼久美:花守ゆみり
鷺ノ宮優子:藤田 咲
ロン:福山 潤
レナード:小西克幸 ほか

■イントロダクション
京都に“逆”転生した勇者たちと魔王の、過酷な闘いが今、始まる・・・!?
祖母の駄菓子屋を継ぐため、京都に引っ越してきた美大生・本天沼久美。
だが、空き家だったはずの駄菓子屋には、ハラミ・K・舞の三人の少女と犬一匹が住み着いていた!
なんと、ハラミたちは魔王を追って、剣と魔法の世界からこちらの世界へ転生してきた勇者達だったのだ!
しかし、転生の影響で力を失った彼女たちは普通の人となり、しかもリーダーの姫騎士アーネリアは
犬の姿に変わり果てていた……。
身寄りも常識もない彼女たちを追いだすこともできず、久美はおかしな仲間たちと同居をすることに。
元の世界での使命感からも解放され、平和な世界にも馴染みはじめ、それぞれが自由気ままに暮らしていたある日。力を失い、小学生となった、元魔王・らんが彼女たちの前に現れ、こう告げた。
「私と一緒に、魔王の欠片を集めてもらえませんか?」
(C)おばけ屋/LAIDBACKERS製作委員会