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アキュラ勢とマツダが首位争いを展開するも、伏兵キャデラックが作戦勝ち/IMSA第3戦ロングビーチ

2019年04月15日 13:01  AUTOSPORT web

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優勝した5号車キャデラックDPi-V.Rと2位となった7号車アキュラARX-05
4月13日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦がアメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースで行われ、マスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.R(フィリペ・アルバカーキ、ジョアオ・バルボサ組)が優勝した。

 前戦セブリング12時間レースから約1カ月後の開催となった第3戦ロングビーチはレース時間、1時間40分のスプリントレースだ。また、市街地コースということで出走台数が制限され、シリーズ最高峰カテゴリーであるDPiクラスとLM-GTE規定車が争うGTル・マン(GTLM)の2クラスから計19台がグリッドに並んだ。

 晴天の下で迎えた決勝は前日の予選でポールポジションを獲得したアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05を先頭に各車がターン1に流れ込む。このなかで5番手からスタートしたマツダチーム・ヨーストの77号車マツダRT24-Pがポジションをふたつ上げ、総合3番手に浮上した。

 しかし2周目、前日の予選でクラッシュを喫し11番手からのスタートとなった55号車マツダRT24-Pが後方から2台抜きを図ったコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックと接触。姿勢を崩したマツダDPiはフロントからタイヤバリアに刺さってしまう。このアクシデントで1回目のフルコースイエロー(FCY)が出されるとともに、クラッシュを招いた10号車キャデラックDPiにはドライブスルーペナルティが課された。

 リスタートは約15分後、7号車アキュラを先頭にレーシングスピードに戻っていくが、1周を回った直後、エリオ・カストロネベス操る7号車が突如失速。すぐにスピードを取り戻したものの3番手に後退してしまう。代わってトップに立ったのは前戦ウイナーのウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R、2番手にはマツダチーム・ヨーストの77号車マツダRT24-Pがつける展開に。

 スタートから30分過ぎ、クラッシュから戦線に復帰していた55号車マツダがコース上でストップしたことで2度目のFCYが導入される。このタイミングで各車が一斉にピットインに入るが、トップ3に順位変動はなし。ところが、首位で復帰した31号車キャデラックにピット作業ミスがあり、ターン4付近で右フロントタイヤが脱落。順位を落とすと同時にドライブスルーペナルティを受け、優勝争いから脱落することとなった。

■77号車マツダDPiがレース中盤戦をリード

 ディフェンディングチャンピオンの離脱によりトップに立った77号車マツダは、背後に7号車と6号車のアキュア勢を引き連れながらレースを進め、そのまま後半戦へ。

 スタートから1時間が過ぎ、各車とも2回目のピット作業のタイミングを迎えると、まずは3番手の6号車アキュラが42周目にピットイン。翌周に2番手の7号車アキュラが、その翌周に首位を行くマツダもピットに戻った。初勝利を引き寄せるためにも順位を守りたいマツダだったが、ピットアウト時には僅かながらアキュラ勢に先行を許してしまう。

 チェッカーまで残り35分、マツダDPiを交わしたアキュラ7号車と6号車のワン・ツー体制となったかに思われたが、7号車アキュラの前方には5号車キャデラックが立ちふさがった。アルバカーキ駆る5号車は1時間を迎える直前、39周目にライバルたちよりも早く2度目のピット作業を終えており、見事アンダーカットを決めたかたちだ。

 以後、チェッカーまでアルバカーキと7号車アキュラを操るリッキー・テイラーによるテール・トゥ・ノーズの戦いが繰り広げられるも、5号車キャデラックは最後まで首位の座を譲らず。最終的に0.740秒差でトップチェッカーを受け2019年シーズン初優勝を飾った。アキュラ・チーム・ペンスキー勢は2位、3位表彰台を獲得。実質20周に渡ってラップリーダーとなった77号車マツダは総合4位でレースを終えている。

■ポルシェGTチームが2連勝。フォードGTはファイナルラップに泣く

 GTLMクラスでは、ポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSRと僚友912号車ポルシェがフロントロウを独占するなかでレースがスタート。前半の30分はこの順位のまま進んでいく。

 しかし、1回目のFCYが入る直前にフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの66号車フォードGTがピットストップを完了させると、リスタート後には911号車を交わした912号車ポルシェの前に立ってみせる。

 だが、スピードでは直前のBoPが有利に働いたポルシェに分があり、スタートから56分後にこれを逆転。アール・バンバー、ローレンス・ファントール組912号車がそのままリードを保ってクラスウインを飾った。

 クラス2位はファイナルラップまで66号車フォードGTとバトルを繰り広げたコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.R、同3位には4号車コルベットC7.Rが入った。4位に終わった66号車フォードGTは最終ラップのターン8で、3号車コルベットに追突されかたちで態勢を崩してスピン、クラッシュを喫した。しかし、シリーズはこの件をレーシングアクシデントと判断している。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第4戦ミドオハイオは5月3~5日、ミドオハイオ・スポーツカー・コースで行われる。同ラウンドはDPi、LMP2、GTLM、GTデイトナ(GTD)という全4クラスでの混走で争われる予定だ。