GT500 決勝レポート
悪天候でレース中止、他車のペナルティで開幕戦優勝
レースは天気予報どおり、午後から雨が降り始めた。ウォームアップ走行では、完全なウエットコンディションで、決勝へ向けたセットの確認を行った。
雨はより一層強くなり、セーフティカーが導入されてのスタートとなった。伊沢は慎重にタイヤに熱を入れながらスタートを待った。セーフティカーランを3周行った後にスタートは切られた。500クラスは無事にスタートを切ったが、300クラスの後方でクラッシュがあり、すぐにセーフティカーが導入された。
車両回収までに5周を要し、再スタートを切った。伊沢は雨量が多かったものの、ペースはよく、前車をいつでも抜ける状態だった。間合いを詰めて、12周目に12号車を抜き、4番手に浮上。しかし、この直後にモスエスでまたもや300クラスがクラッシュし、赤旗中断となった。
約45分後にセーフティカーが入り、5周後に再スタートが切られたが、相変わらず雨量は多く危険なコンディションだったが、伊沢は何とか23号車を抜き去り3番手に浮上。伊沢は無線で雨量が多いので危険を訴えながらの走行を続けた。
そうしているうちにトップ争いをしていた1号車がコースアウト。2番手に浮上したところでまたもやモスエスで300クラスがクラッシュしてしまい、セーフティカーが導入されたが、主催者側が危険と判断し、31周経過後に赤旗でレース中止となった。レース後にトップの車にペナルティが課されて、#8 ARTA NSX-GTが1位に繰り上がり、開幕戦で優勝を飾ることになった。
鈴木亜久里監督のコメント
「お客さんにはとても申し訳ないと思っていますが、天候だけはどうにもならないですし、ドライバーのことを考えるとこのレースの中断は良かったと思っています」
「しかし、このコンディションでコースに留まること自体が大変なのに、ドライバーは本当によく頑張ってくれたと思います」
星学文エンジニアのコメント
「ウォームアップでは雨のセット確認を行いましたが、バランスは悪くなさそうなので、順位をあげられることを期待していました」
「しかし、予想以上に雨量が多かったので、レースを続けることが不安でしたが、伊沢選手は何とかコースにとどまり、レースが終了するまで無事に走らせてくれました。結果、優勝は非常に嬉しいですが、まだまだ課題もあるので、改善して次のレースに挑みたいです」
野尻智紀選手のコメント
「結果として私が走る機会はありませんでしたが、伊沢さんが熱い走りをしてくれて予選の結果よりよいポジションで戻ってきてくれたので感謝しています。チームも良いクルマを用意してくれたのも良かったです」
伊沢拓也選手のコメント
「コース上に留まるのも難しいなか、何とかニッサンの2台を抜くことができました。前を走っていたホンダ2台がいなくなって、結果的に優勝できたのは複雑な気持ちですが、そういう位置にいられたことが大きいと思うので、良かったと思います」