4月14日、岡山国際サーキットで行われた2019年スーパーGT第1戦の決勝を終え、スーパーGT GT500クラスで2番手から逆転優勝したARTA NSX-GTの伊沢拓也と野尻智紀がレースをふり返るとともに、第2戦富士への展望を語った。
ARTA NSX-GT
伊沢拓也
「今までスーパーGTを戦ってきたなかでも雨量が多く、なによりもウォータースクリーンが酷かったです」
「スタートは5番手だったんですが、前の4台の水しぶきでほとんど何も見えない状態のなか、どこを走っているかわからない時もあり、まずコース上にマシンを留めないといけない状況でしたが、前のニッサンの2台をなんとか抜いたことが、最終的には僕たちに勝利が転がりこんできたと思います」
「(トップ2台の脱落は)ホンダ同士の接触という形なので素直に喜べないですが、昨日予選で野尻選手が5番手を獲得してくれたことも非常に大きくて、僕にとっては今日のレースがうまく展開させやすかったです」
「昨年からいろいろやっていた形を、ひとつ開幕戦で出せたという意味では、今年のシリーズを考えても、まず幸先の良いスタートを切れたと思っています。昨日のフリー走行と予選を見ても、昨年以上に3メーカーがタイム的には拮抗してると思うので、今回10ポイントを獲り、(次戦で)ウエイトが20キロあるというのは少なからずタイムには影響しますし、予選も含め確実にウエイトハンデという意味ではマイナスになるとは思います」
「富士がNSXにとっては正直苦手なサーキットという意識はあるので、昨年を見てもそこをなんとかして良いポイントを獲ることが大事だと思うので、マシンもですが、ドライビングも含め、連勝より自分たちが昨年以上に良い戦いをすることを念頭において準備したいなと思っています」
野尻智紀
「モニターを見続ける時間が非常に長かったです。まずは、このレースで命に関わる怪我やレースができなくなるような怪我をする選手がいなくて良かったです」
「ここのコースはモスSでちょっとでもラインを外せば、足元をすくわれてすぐコンクリートの壁が待っているので、あれだけのウォータースクリーンのなかで走っていたら、知らない間にラインを外すということがよく起こると思います」
「今回のレースを見ていたなかで感じたのは、少し何かが起きたらセーフティカーが出たり赤旗にするという雰囲気があったのかなと個人的には思いました。そんななかで伊沢選手がきっちりとマシンをコース上に留めてくれて、チャンスがあるごとに前を走るマシンを抜いてきてくれたのが優勝につながっていると思うし、それは伊沢選手にしかできない走りだったと思っています」
「僕が同じような状況で同じようなことができたかというと、どうだろうなと自分のなかで考えるところもあるので、本当に今日は伊沢選手とチームとブリヂストンとホンダとみんなでつかみ取った勝利です」
「(第2戦富士に関しては)まずは昨シーズンのことを振り返ってみると、ホンダとして富士をどう戦うかというのはチャンピオンシップに大きな影響があります。連勝というよりは、僕たちとしては富士でも良いパフォーマンスが出せるように準備をすることです」
「富士でも他メーカーと同じような速さで良いパフォーマンスを示すことができたら、チャンピオンシップも、一気に現実味を帯びてきて近づいてくるし、大きな山場だと思っていますので、昨年以上に良い結果を出していきたいです」