トップへ

乃木坂46 堀未央奈に集まる次期エースとしての期待 グループでの立ち位置から考察

2019年04月14日 09:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 乃木坂46の堀未央奈が、6月28日に公開される映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』で初主演を務める。最近、堀を見ていると乃木坂46のフロントを担うエースの一人として、さらなる坂道を登る覚悟を決めた印象を受ける。そう初めて思ったのが、堀がアンバサダーとして出席した『第11回 日本ブルーレイ大賞授賞式』を取材した際のことだった(参考:乃木坂46 堀未央奈、“女優”と紹介され照れ笑い 「お芝居をすることもすごく好き」)。


参考:乃木坂46 堀未央奈、クイズ王の推しで出題難易度アップ? バナナマン設楽「感覚ズレてんじゃん」


 式で堀は「女優 堀未央奈」として紹介された。囲み会見で堀は照れ笑いを浮かべていたが、至って真面目に「映画を観るということも好きなんですけど、お芝居をすることもすごく好きなので」と女優への思いを話す。その真摯な姿勢が重なったのが、先日10日のSHOWROOM配信番組『のぎおび⊿』で、『ホットギミック』の話題になった時だ。「アイドルの堀未央奈ではなく、一人の女優として役の成田初ちゃんになりきって毎日毎日全力でお芝居と向き合ったので、そこでワーワー言うのではなくて、ちゃんと作品として見ていただけたら嬉しいなと思います」とキスシーンを示唆しながらも、その話題性だけに留まらず、一人の“女優”としての堀未央奈を見てほしいと呼びかけた(参考:乃木坂46堀未央奈、主演映画のキスシーンに言及「ないとはいえません」)。グループ加入初期からホラー映画好きや自身のブログでの映画紹介など、堀の『ブルーレイ大賞』アンバサダーの選出には納得だが、それと共に演技、女優としての強い思いがうかがえる。


 堀は2013年3月に2期生メンバーとしてグループに加入し、同年11月リリースの7thシングル曲「バレッタ」でいきなりセンターに抜擢。2017年6月号からファッション誌『ar』のレギュラーモデルとなり、同年11月には初の写真集『君らしさ』を発売。ラジオ番組『レコメン!』(文化放送)の水曜レギュラーでも遺憾なく発揮されているその飾らないキャラなど、乃木坂46の中でも絶妙なバランス感覚で独自のポジションに立つ堀も、苦境の時期があった。


 「バレッタ」でセンターに抜擢された堀は、2015年リリースの12ndシングル『太陽ノック』、13rdシングル『今、話したい誰かがいる』2作でアンダーを経験。「最初だけセンターであとは落ちていく一方だった」と母のコメントが入る映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』では、「謎めいた感じ、孤独」というファンからのイメージに葛藤し、グループも辞めようとしていたことが明かされている。そこから堀はロングだった髪をバッサリ切り、イメージを変え、再び選抜、フロントへと自身の実力で浮上していくこととなる。


 最近、『ホットギミック』の公開に伴い、堀のメディア露出は徐々に増えている。表紙を飾っている雑誌『blt graph. vol.42』は一つに代表されるものだが、そのインタビューの中で印象的な一文があった。


「『そのままでいいんだよっていう言葉がほしかった』みたいなセリフとか。アイドルという職業をしていて、何が正解かなんて分からないから、ファンの人とか身内の人とかいろんな声を聞いているうちに自分が分からなくなったり、自分がやっていきたいことと人に求められることが違ったりした時に、私もほしかった言葉でした」


 監督・脚本を務める山戸結希が堀に寄り添い書き下ろしたセリフは、10代の頃に葛藤していた等身大の堀を彷彿とさせるものだ。公開されているティザー映像の中にいるのは、女優として生きる堀だが、一人の堀未央奈が再び青春を取り戻しにいくような、そんな意味合いも含まれているような気がしてならない。


 堀の『ホットギミック』と被るのは、昨年、齋藤飛鳥が映画初出演にしてヒロイン役に抜擢された『あの頃、君を追いかけた』の存在。公開前に発売された21stシングル『ジコチューで行こう!』で齋藤は再び単独センターに立ち、ドーム・スタジアムツアーの先頭を切った。西野七瀬がグループを卒業し、現在、乃木坂46は白石麻衣、齋藤飛鳥の2大センターという印象が強い。齋藤も堀と同じ不遇の時期を乗り越え、現在の立ち位置へと上り詰めた人物だが、次は堀がその位置を担う番なのではないだろうか。


「必ずいつかまたセンターに立ってみたい。あの時の悔しさが、私の活動にはすごく影響しているなって思うんです」(『B.L.T. 2019年5月号』より)


 堀にとって、ターニングポイントとなる夏がやって来る。(渡辺彰浩)