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スーパーGT連覇を目指すバトンが振り返る開幕戦の予選とライバル状況。「このオフは本当に苦しんでいたんだ」

2019年04月13日 21:51  AUTOSPORT web

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ジェンソン・バトンはシリーズチャンピオンとして王座防衛に挑む
2019年のスーパーGT GT500クラスにディフェンディングチャンピオンとして挑んでいるRAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトン。開幕前のテストでは思うようなパフォーマンスを出せていなかったが、13日(土)に行われた公式練習ではトップタイムを記録。予選Q1でも5番手タイムを記録してQ2担当の山本尚貴にたすきをつなぐと、山本は予選3番手を獲得してみせた。

 2018年にシリーズフル参戦デビューを果たすと、デビューイヤーにシリーズチャンピオンを獲得したバトン。2019年も引き続きTEAM KUNIMITSUから参戦し、山本とともにタイトル防衛に挑む。

 昨シーズンは圧倒的な速さをみせていたホンダ陣営だったが、オフシーズンのテストではニッサン、レクサス陣営の後塵を拝する場面が多く、本来のパフォーマンスを隠して“三味線を弾いている”のではないかとも見られていた。

 結果的に、全車ノーウエイトの開幕戦ではRAYBRIG NSX、KEIHIN NSX-GT、ARTA NSX-GTの3台が3~5番手を占める形になったものの、バトン自身は「冬のテストは奇妙なものだった」とオフ期間の苦闘を明かす。

「1月のテストは好調だったし、鈴鹿の(メーカー)テストも速かった。そのあと岡山の公式テストでは、速さを発揮できないトラブルに直面して、富士でもスピードを出せなかった。本当に苦しんでいたんだ」

「今日はセットアップを変えたら、マシンの感触が断然良くなって、このポジションを掴むことができた。ニッサンの方がほんの少し速かったけど、僕たちはマシンを大きく改善できた。イヨキさん(伊与木仁エンジニア)とナオキ(山本尚貴)、そして僕が協力してパフォーマンスを改善できたんだ」

「暖かいコンディションだった公式練習は問題なかったけど、予選では気温や路面温度が低くなってタイヤを作動させることが難しかった。厳しい予選だったから、5番手で通過できたことをうれしく思っている」

「(Q1で得た)情報をナオキに伝えたら、彼は素晴らしい走りをしてくれた。だから3番手という結果には満足しているし、決勝もいいレースができるはずだ」

 また、バトンはフロントロウを独占したニッサン勢、特にオフから好調のカルソニックIMPUL GT-Rを警戒。「チャンピオンシップを考えた上でもライバルになる」との見方を示した。

「23号車(MOTUL AUTECH GT-R)は、去年もこの岡山では速かったはずだ。レースではペナルティを受けたのに5位でチェッカーを受けているからね」

「そして12号車(カルソニックIMPUL GT-R)は去年より格段にスピードが増している。ジェームス(ロシター)の経験が活きているんだと思うし、ダイキ(佐々木大樹)もマシンに自信を持っているように見える。チャンピオンシップを考えた上でもライバルになるだろう」

 ちなみにバトンは、この2019年からヘルメットデザインを変更している。これは2009年にブラウンGPでF1ワールドチャンピオンに輝いた時と同じデザインとのこと。

「あの時から今年でちょうど10年の節目なんだよ。だから、このヘルメットデザインを選んだんだ」とバトン。

「いろいろな思い出が詰まっているから、僕にとっては特別なデザインなんだ。去年、僕たちはスーパーGTでチャンピオンになったから、今年はこのヘルメットを被ってカーナンバー1のマシンをドライブすることになるんだ。10年前と同じような状況だよ」

 ある種の“願掛け”もしてタイトル防衛に挑むバトン。14日(日)の決勝日は降雨の予報が出ており、雨量によってはミッドシップレイアウトのホンダNSX-GTが有利になる可能性も充分にある。