MotoGP第3戦アメリカズGPが行われているサーキット・オブ・ジ・アメリカズで現地日時4月12日、故ニッキー・ヘイデンが使用したゼッケン69の永久欠番セレモニーが行われた。
69番はヘイデンが母国アメリカでレースを始めたころより愛用していたゼッケン。今回のセレモニーは、MotoGPの最高峰クラスでこのゼッケン69を永久欠番とするものとして開催された。サーキット・オブ・ジ・アメリカズのプレスカンファレンスルームには、ヘイデンが2006年にMotoGPクラスでチャンピオンを獲得した際に駆った、ホンダRC211Vが持ち込まれた。
会見にはニッキーの父であるアール・ヘイデン氏、兄でレーシングライダーでもあるトミー・ヘイデン、ドルナスポーツCEOのカルメロ・エスペレータ氏、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)会長のホルヘ・ビエガス氏が出席。ニッキーの家族や、マルク・マルケス、ホルヘ・ロレンソといったMotoGPライダーたち、そして多くの関係者も列席した。
トミー・ヘイデンはヘイデン家を代表し、会見で感謝の言葉を述べた。
「69は私たち家族にとって特別なナンバーだ。私たち兄弟姉妹が生まれる前から、父は69のゼッケンをつけてレースをしていた。そして、幼い私たちも69のゼッケンと共に成長し、ニッキーは彼のレースキャリアを通じて69番を愛用した。それは非常に特別であり、69というナンバーがMotoGPの永久欠番となることは多くの意味を持っている。ニッキーを語り継いでいくことを手助けしてくれるすべての人々に感謝したい」
その後、エスペレータ氏とビエガス氏からヘイデンの父、アール氏にゼッケン69をMotoGPの最高峰クラスで永久欠番とする記念のトロフィーが贈呈。トロフィーを受け取ったアール氏は涙を抑えるように、ややうつむき加減になるシーンもあった。会見の終わりには列席者によるスタンディングオーベーションが起こり、セレモニーに対する敬意が贈られた。
夕方には“ヘイデン・ヒル”と名付けられたサーキット・オブ・ジ・アメリカズの18コーナーで記念撮影が行われ、こちらにも多くの関係者がニッキーのセレモニーのために集まった。
ニッキーはホンダに所属していた2006年、MotoGPでチャンピオンを獲得し、その後、ドゥカティなどで活躍した。2016年よりMotoGPからスーパーバイク世界選手権(SBK)へ転向し、MotoGPフル参戦最後の年となった2015年にはレジェンドライダーとして殿堂入りを果たした。
しかしSBK参戦中の2017年、イタリア・リミニでのサイクリングによるトレーニング中、交通事故に遭い、同年5月22日に死去。その人柄で親しまれたニッキーの死は、多くの関係者、ファンに惜しまれた。