トップへ

ヒカキンが『ダウンタウンなう』で見せた、YouTuberとしての矜持 驚愕の「おもてなし」を振り返る

2019年04月13日 11:21  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 人気YouTuberのヒカキンが4月12日、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の人気企画「本音でハシゴ酒」にゲスト出演。テレビ初公開となる豪華新居にダウンタウン、坂上忍、菊地亜美を招き、「宅飲み」で盛り上がった。


(参考:ヒカキン、米津玄師・セカオワ・野田洋次郎・川谷絵音らと豪華飲み会 今後のコラボにも期待?


 ヒカキンが「ハシゴ酒」に登場するのは、今回で2回目だ。冒頭、松本人志は前回を振り返り、「年収を聞いたら、全員黙っちゃった」と一言。番組出演後、ヒカキンはさらに活躍の場を広げ、いまは都内の一等地、高さ40階以上の超高級マンションに2部屋借りていると説明された。「これも『ダウンタウンなう』のおかげ」と謙虚に語るヒカキンが、4人をおもてなしすることに。


 さっそくエレベーターで上層階まで上がり、菊地が「ホテルみたい」とこぼした通路を経て、ヒカキン宅に到着。浜田雅功が土足で上がる、という小ボケをはさみつつ、リビングに入るや否や、壁全面の大きな窓から見える景色に、出演陣も絶句。場所を特定されないため映像ではモザイクがかけられたが、東京が一望できるという。床は全面大理石で床暖房付き、こだわりの高級家具の数々も紹介された。「さすが人気YouTuber」とのナレーションがあり、かつてであればその高収入が驚きを持って語られたYouTuberの地位が、確かに向上していることを感じる。これも他ならぬヒカキンが開拓してきたイメージだ。


 間取りは2部屋合わせて「6LLDDKK」。各部屋を細かく見て回る一行だが、洋室は動画で使用したアイテムの倉庫代わりになっていたり、洗濯物を干すだけの部屋があったり、浜田からは「もったいないな!」との言葉もあった。しかしヒカキンは、「ただ、何かの動画で、部屋を空っぽからなにかするとか、使ったりするかもしれないんで……」と、あくまで動画のために部屋をフリーな状態にしていることを明かす。これには松本も「いろいろ考えてんねや」と感心していた。そして、ファンにはおなじみの「20年分のトイレットペーパー」が積まれたトイレに、一同が思わず声を上げて驚く場面も。


 いよいよヒカキンのおもてなしが始まる。「ホントにいつも食べてる物」として取り出したのは、駄菓子の数々と、宅配ピザ。松本は「岩城滉一さんの回、見た?」と、豪華な食事が振る舞われた過去の放送を引き合いに出して落胆するが、その後に出てきたお酒がすごい。事前に動画でも告知されていたとおり、ワインの専門家に「いま、日本で一番いいワインを」と頼んで手に入れたという、1988年のロマネコンティ(350万円)に、ダウンタウンの生まれ年である1963年のシャトー・ムートン・ロートシルト(50万円)。ヒカキンは「みなさんとこれを飲めたら、人生に悔いなしって」と、この収録にかけた意気込みを語り、こちらも番組のために手配したバカラのグラスに注いだ。


 さっそく乾杯。ダウンタウンの2人は「おいしいのかどうかわからない」というリアクションだったが、ワイン好きの坂上は心から感動している様子だ。一杯で優に10万円を超えるワインに、松本は「これって、フジテレビは一銭も出してないの? この番組ひどいよな」とこぼしていた。


 ここからトークが展開し、話題はヒカキンのこの一年間の変化について。サブチャンネルも含めたYouTubeのチャンネル総登録者数が360万人増え、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』に『踊る!さんま御殿!!』、『ミュージックステーション』など、名だたる番組にも出演してきたヒカキン。「外に出た瞬間に声をかけられる」として、気軽に出歩けないという悩みを明かした。菊地によれば、ダウンタウンや坂上はロケをしていてもあまり声をかけられないそうで、視聴者が親しみをいだきやすいYouTuberだからこそ、人気芸能人以上に悩みを抱えることになるのかもしれない。


 またヒカキンは、トーク番組でうまく話せない、という悩みも語った。『さんま御殿』に出演した際にも、面白いことを言わなければと思っていると話が振られず、急にアドリブを求められると困ってしまうという。松本は「それは簡単に言うと、さんまさんはやりづらいといこと?」として笑いを取り、ヒカキンは必死で否定していたが、これには菊地も共感。共演者のトークに相槌を打つと、さんまは「なんや、菊地もわかんのか?」と、急に話を振られるため、エピソードに自信があるときだけ、大きく相槌を打つようにしているというコツを明かしていた。


 ここで坂上が、倉庫部屋に積み上げられていたブランド品の箱が気になるとして、未開封のものを空けることに。FENDIのヘッドアンブレラ、ルイ・ヴィトンのランプなど、高額商品を紹介しつつ、最後に一同を驚かせた未開封の一品は、金やダイヤモンドなどのジュエリーで作られた、プレイステーションのコントローラーだ。松本は「何買ってんのあんた!」と思わず声を上げていた。菊地が「泥棒に入られても、どこを探すか大変ですね」とこぼすと、ヒカキンは「それを動画にするしかない」と笑い、YouTuberの矜持を見せていた。


 そして、兄のセイキン、幼馴染でもあるマスオと、関係の深いYouTuberからのタレコミも。いわく「世間の目にビビりすぎている」。プライベートのLINEですら流出してもいいという覚悟を持って送っているそうで、後輩のYouTuberにも、「ツイッターに投稿する感覚でLINEをするように」とアドバイスしているという。ヒカキンは、自身のイメージがよくなっていき、少しのことでその評価が逆転してしまうのが怖いのだそうだ。


 そんなヒカキンに、坂上は「何が楽しいんだろう? 普通、有名になったら、きれいな女の人と付き合えるとか、稼いで遊ぶとか、そうなっていくけれど、それをものすごく抑制しているでしょう」と問いかける。ヒカキンは「すごい抑制している」と同意し、「スキャンダルを笑いに変えられる芸人さんがうらやましい」と語っていた。


 終盤には編集室で、前回の「ハシゴ酒」の映像をYouTube風に編集した映像を見せ、一同を感心させたヒカキン。最後は愛犬家の坂上にティファニーのドッグボウルを、菊地にはReFaの小顔ローラーとクリームを、浜田にはルイ・ヴィトンのゴルフボールセットを、そして鼻炎に悩む松本には一箱1万円の高級ティッシュと、皇室献上品のトイレットペーパーをプレゼント。YouTuberらしいオチをつけて、コーナーは終了した。余談だが、続いて登場した元NHKの登坂淳一アナが一瞬、セイキンに見えてしまったのは、筆者だけではないのだろう。


 一攫千金の「YouTubeドリーム」とともに、トップYouTuberの苦悩も語られた、充実の40分。ヒカキンが3度目の出演を果たす時があれば、いったいどんな変化を語ってくれるだろうか。地上波でも違和感なく、その魅力を発揮しているヒカキンのさらなる飛躍を楽しみにしたい。


(向原康太)