F1第3戦中国GPの初日フリー走行を終えたマックス・フェルスタッペンは、「今日はかなりいい手応えだった。マシンのバランスがよく、ほとんど問題もなかったから、満足している」と嬉しそうに語った。
前戦で4位に入賞していたものの、「リヤタイヤのグリップにも悩まされ、マシンを制御するのが簡単ではなく、ペースを上げることができなかった」と落胆していた2週間前のバーレーンGPとは、大きな違いだった。
その理由はまず結果にある。バーレーンGP初日、フェルスタッペンの順位は6番手。タイムはトップから約0.9秒離されていた。それが中国GPの金曜日はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の2台に続く3番手。タイムもトップからわずかコンマ2秒遅れだった。
なぜ、この2週間でレッドブル・ホンダは向上したのか。今回、中国GPにレッドブルは新しい空力パーツを持ち込んでいるが、それはフロントウイングのアッパーフラップの縁に小さな切り込みが入ったという程度のものだった。もちろん、パワーユニットはすべてのコンポーネントが開幕戦から使用しているもの。ハード的には何も変わっていない。
しかし、セッティングというソフト的な部分は、バーレーンGP後に同地で行われたインシーズン・テストで、レッドブルは車体を、ホンダはパワーユニット(PU/エンジン)にさまざな改良を試した。特に大きく見直されたのが、車体側のセットアップだ。
「レース後にテストした結果、バーレーンGPの週末にメカニカルなセットアップでミスを犯していたこともわかったんだ。もしミスを犯さず、良いバランスを見つけられていれば、間違いなくフェラーリやメルセデスと、もっと接近した戦いができていたと思う」とフェルスタッペンは語っている。
こうして迎えた中国GP初日。レッドブル・ホンダはバーレーンでのテストで学んだ新しいセッティングを施して、セッションをスタート。フェルスタッペンはフリー走行1回目を4番手でスタートし、2回目では3番手に浮上。
チームメイトのピエール・ガスリーはフリー走行1回目で空力のテストを行っていた影響もあって、ややタイムが伸び悩んだものの、2回のセッションをともにトップ10内で終えた。
「バーレーンでは疑問符が付く結果となったが、今日の結果で僕たちが抱えていた課題は解決できたと思う。今週末は上位陣とかなり接近した戦いができると確信している」(フェルスタッペン)
「僕らは正しい方向に進んでいることは、マックスが示してくれた。フリー走行2回目では、セクター3で少しタイムをロスしてしまった。でも、このマシンにはまだ伸びしろがある」(ガスリー)
中国GPはレッドブルにとって、10年前にチームが初優勝した思い出の地。バーレーンGPの借りを是非、返してもらいたい。