村上龍原作の映画『ピアッシング』の予告編とビジュアルが公開された。
6月28日から東京・新宿シネマカリテほか全国で公開される同作は、村上龍の同名小説をもとにした作品。自身の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男が、衝動を抑えるためSM嬢をホテルに呼び出して殺害する計画を立てるが、ホテルにやってきたSM嬢が突如自分自身を傷つけて倒れこんでしまうというあらすじだ。監督は、次回作で『呪怨』のリブート版に取り組むニコラス・ペッシェ。
予告映像では、殺人衝動を持つ男役を演じるクリストファー・アボット、自殺願望を持つ女役のミア・ワシコウスカらの姿が確認できる。あわせて公開されたビジュアルは、「理性が崩壊する」というキャッチコピーが使用されたもの。
■村上龍のコメント
演技、演出、キャメラ、そして音楽、抑制され、かつ正確だった。
『ピアッシング』という物語のテイストが理解されていると感じた。
単に原作に忠実というわけではなく、不思議な感覚があった。わたしが原作を書くときに思い浮かべたイメージが、スクリーンに再現されている、そんな感覚だ。ホラー映画とカテゴライズされるのだろうが、残酷さの裏側、狂気の最深部に潜んでいる「人の優しさ」が、さりげなく描かれる。タイトルバック、エンドロールのビルの映像には驚いた。すばらしい。