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新・姫川玲子シリーズ、出来栄えは? 『ストロベリーナイト・サーガ』第1話で重岡大毅との別れ

2019年04月12日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

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 二階堂ふみと亀梨和也がダブル主演を務めるドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)が4月11日に初回放送を迎えた。同ドラマは2010年に竹内結子主演でスペシャルドラマとして映像化され、その後連続ドラマや映画が立て続けに制作された人気作である。原作は誉田哲也の人気ミステリー「姫川玲子シリーズ」で、今回はキャスト陣を一新し再映像化となった。


【インタビュー】二階堂ふみが挑む、新たな姫川玲子像


 ノンキャリアでありながら、警部補として班を持ち活躍する女性刑事の姫川(二階堂ふみ)の元に、菊田(亀梨和也)が配属される。姫川班は、姫川を敬愛してやまない大塚(重岡大毅)を筆頭に個性的な面々が揃っていた。菊田合流後の初めての事件で、姫川班は犯人探しに躍起になるが、捜査の中で犯人に目をつけられた大塚は殉職してしまう。そんな大塚の仇を打つために姫川班は犯人逮捕にさらに尽力するのであった。


 第1話は、竹内結子主演の『ストロベリーナイト』とほぼ同じストーリーで展開された。しかしいくつか細かい点で違いが描かれ、『ストロベリーナイト・サーガ』ならではの良さが目立つ演出となった。二階堂ふみ演じる姫川は、竹内と比べると幼く子どもっぽい印象を感じさせる。それもそのはず、かつて竹内が姫川を演じた時の実年齢は30歳である。現在の二階堂は24歳と、劇中の年齢よりもさらに若い。しかし二階堂はそんな若さを逆手にとって、これから上に向かって躍進していく女性というエネルギーを画面越しにビシビシと感じさせる気迫を見せた。このハングリーなエネルギーは現実の二階堂が、前作に負けずに作品を良くしたいという思いとリンクし、さらに力強く感じさせた。


 また、第1話の見どころは何と言っても姫川を一番に慕う大塚を襲う悲劇だ。大塚を演じた重岡は、若手ジャニーズの中でも特に芝居に定評がある。ジャニーズWESTとして活動し、本作では同じ事務所の先輩であるKAT-TUNの亀梨との共演となった重岡。そんな重岡が、これだけ陰鬱で暗いストーリーの中でも、子犬のような瞳と大きな口でニカッと笑う笑顔は姫川だけではなく多くの視聴者も元気付けられただろう。姫川がこれから上を目指していきたいという気持ちに対して、大塚のついていきたいという思いは、姫川にとって追い風のように力を与えていた。そのため姫川は、亡くなった後の大塚に花を手向け、自身の過去を打ち明ける。この2人の関係は、男女でありながら、恋愛感情を持ったり相手の性別に対する言及がほとんどないことが特徴的だ。まさに、職場を舞台に純粋な敬愛を描いた美しい物語であったと言えよう。二階堂もまた、女性らしさを感じさせる表情はなく、リスペクトを持った後輩に対する顔を見せた。


 その一方で、姫川は菊田にはどこか愛らしい笑顔を見せたりする。菊田に対する好奇心か、初対面ならではの笑顔か、いつか発展する2人の関係を示唆しているのか。姫川が見せる表情は、相手によって大きく異なる。その繊細な違いこそが『ストロベリーナイト・サーガ』の楽しみだ。前作から一新されたキャストが新たに描く「姫川玲子シリーズ」に注目したい。


(Nana Numoto)