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ヒカキン出演『ダウンタウンなう』の見どころを考察 “YouTubeドリーム”の真実を伝える大きな一歩に

2019年04月12日 09:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 人気YouTuberのヒカキンが本日4月12日、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の人気企画「本音でハシゴ酒」に出演する。普段のように飲食店ではなく、ヒカキンの新居で収録されており、いつにも増してディープなトークが展開されそうだ。本稿では、番組の注目点を考えてみたい。


(参考:ヒカキン、テレビへ積極的に出演する理由を明かす


 ヒカキンは昨年2月にも同番組に出演しており、その際は、坂上忍に収入を耳打ちして驚愕される、というシーンがあった。トップYouTuberへの一般的な関心として、「一体どれだけ稼いでいるのか?」というものがあり、不特定多数に向けたテレビや新聞等のメディアでは「お金」の話がメインになることも多い。ヒカキンは4月、日本テレビ系のバラエティ特番『さんまの転職DE天職7』に出演した際に、「(年収は)さんまさんの3分の1くらい」として笑いを取ったが、「自宅の公開」ほど、彼がたゆまぬ努力で手にした“YouTubeドリーム”がわかりやすく伝わる企画はないだろう。


 2月に動画で公開された新居は、引越し費用が「ランボルギーニが余裕で買えるくらい」かかったと明かされており、高級マンションの上層階に、同じ間取りの部屋を2つ借りている。ヒカキンいわく、間取りは合わせて「6LLDDKK」。動画のネタになりそうなグッズを常に収集する、というYouTuberならではの習慣からスペースはあるだけ好ましく、この広さになったようだ。収録で部屋を細かに探索することがあれば、「20年分のトイレットペーパー」が積み上がったトイレに、ダウンタウンも驚くかもしれない。


 また番組では、ヒカキンの家にある「高額レアアイテム」を紹介すると発表されている。動画でおなじみの400万円の純金ハンドスピナーや、ルイ・ヴィトン×シュプリームコラボの限定巨大トランク(2つで1400万円)なども紹介されるかもしれないが、一方で、そんな「宝の山」の中に無造作に放置された、未開封のボックスも登場するとのこと、日々動画をチェックしているファンにも新たな楽しみがありそうだ。


 一方で、ヒカキンは地上波への出演を重ねており、昨年10月には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)にもゲスト出演。その人気ぶりや高収入は一般にも周知された感があり、もはやダウンタウンにとっても「謎の人物」ではない。好奇の目を含めた「どれだけ稼いでいるのか」という話題に終止することなく、トークではより深い話題に踏み込むことにも期待したいところだ。「有名になったがゆえの最近の悩み」が明かされるとの発表があり、YouTuberにはまだまだ「好きなことをしてお金をもらう、楽な仕事」というイメージもあるなかで、日々の真摯な取り組みと、「芸能人」とはまた違った悩みにフォーカスが当たることには、意味があるように思える。


 ヒカキンはこれまでの動画で、多忙ななかで積極的にテレビ出演を続けている理由について、「学ぶことが多く、YouTubeでの活動だけでは見えてこないことが見えてくる」という向上心とともに、YouTubeをまったく見ないテレビ視聴者に対して「YouTuberって素敵なんだよ、頑張ってるよ、ということを知っていただきたくて、光栄なことに出させていただいている」と語っている。


 アスリートと変わらない突き詰めた生活を送りながら、社会的に軽く扱われることも少なくない「プロゲーマー」たちが、ファッションに気を使い、その思考や哲学を語ることでそのイメージを刷新すべく努力を重ねているが、同じように、ヒカキンは「YouTuber」という新たな職業を正しく、魅力的なものとして伝えるために努力を惜しまない。その大きな一歩になりそうな「ダウンタウンとの宅飲み」がどんなものになるか、期待して見守りたい。


(橋川良寛)