レッドブル・レーシングのチーフエンジニアリングオフィサー、ロブ・マーシャルは、2019年からパワーユニット(PU/エンジン)パートナーをルノーからホンダに変更したことが、さまざまな面でプラスに働いていると語った。
12シーズンにわたり提携したルノーとは、4年連続ダブルタイトル獲得という輝かしい成果を達成したものの、パワーユニット規則導入後には思うような成績を出せなくなった。さらにルノーがF1ワークス活動を再開したこともあり、レッドブルは不満を募らせ、ついに2018年末をもって袂を分かつことを決めた。
マーシャルは、新パートナーのホンダを得てレッドブルに訪れた変化について次のように語った。
「ホンダとの提携はとてもうまくいっている」とマーシャル。
「まだ蜜月期なのでそう言うのは簡単だが、事実うまくいっているのだ。ホンダは非常にプロフェッショナルだ。準備をしっかり整えて、懸命に努力している。我々に何が必要なのかを彼らは理解してくれている」
「ルノーとの関係には、ご存じのとおりアップダウンがあった。素晴らしい仕事をして我々がトップに立つためのサポートに集中してくれていた時期もあったが、その後、ワークス活動を行うことになってからは、当然のことだが、自分のチームに集中するようになった。そのために我々の側にはいくつか支障が出た」
「ホンダとはそういうことがない。話し合って、何が一番いいのかを、一緒に決める。ミーティングの時に、どうすればパワーユニットが最速になるのか、あるいは車体が最速になるのかを話すのではなく、どういう開発をすれば最大限のポイントを稼げるのかを話す。そのため、信頼性のリスクも念頭に置く。そうやって、何をすべきか、すべきでないかを決める。全く違うアプローチだ」
■「緊密な連携による開発が明らかなメリットを生む」とマーシャル
ホンダと複数年契約を結んでいることで、レッドブルは開発プランを立てやすくなったとマーシャルは言う。
「パッケージングに関して考えるときに、パワーユニット周辺のエリアについて検討することができる。大きなエリアでなくても、4つか5つのエリアについて変更することが可能なら、それによって良くなる可能性がある。5つのうち3つ、あるいはすべてに検討の余地があれば、明らかなメリットを得られる」
「しかもホンダ側にパフォーマンス上のデメリットにならない形でそれができるのだ。パワーユニット周辺に違うものを取り入れたり、移動したりといったことをすることで利益を得られる」
「彼らは我々の提案に対して非常にオープンだ。彼らが『それは少し難しい』とか『それはやりたくない』と言うときには、信頼性に関するリスクがあるのだと理解している」