自動車の自律運転やドローンの遠隔操作といった技術に、今注目が集まっている。スウェーデン王立工科大学(KTH Royal Institute of Technology)の研究チームが、自律型の無人機やロボットに搭載するための、より小型のライダー(LIDAR)の開発に取り組んでいるという。
KTHのDivision of Micro and Nanosystemsに所属するポスドクのCarlos Errando-Herranz氏、准教授のKristinn B. Gylfason氏らを中心とする研究チームでは、より安価で軽く、大量生産に向くライダー技術を開発した。・光ビームステアリング装置の重さは数グラム、消費電力は約100ミリワット自律運転の実現のためには、周囲の物体を認識および検出するライダー技術は不可欠な要素。ジャーナルOptics Lettersが報じるところによると、KTHの研究チームが開発しているライダーは、小型光ビームステアリング装置で、重さは数グラム程度、消費電力は約100ミリワットほど。生産コストは約10ドル(約1100円)程度で大量生産が可能だという。・生産コストが安く、大量生産が可能に開発者の一人Errando-Herranz氏は、「小型光ビームステアリング装置は、顕微鏡レベルの約100マイクロメートルを測定します。スマートフォン用の加速度計やジャイロスコープの製造と同じ製造技術を使用しているため、大量生産が可能で生産コストが本当に安くなります。この技術によって、ロボットや無人偵察機の自律走行が実現できることでしょう」と語っている。
また、准教授のKristinn B. Gylfason氏によると、自動車業界はコストに非常に敏感であり、既存のライダーシステムはコストがかかりすぎるため、自動運転車の大量生産には向かなかった。大量生産可能なライダーなら、自動車産業でも導入できるという。