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ヒトラーが大勢の部下を引き連れて美術品展示へ 『ヒトラーVS.ピカソ』本編冒頭映像

2019年04月11日 15:31  リアルサウンド

リアルサウンド

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 4月19日公開の映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』より、本編冒頭映像が公開された。


 本作は、ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネなどナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命を描いたミステリー。1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われる。なぜヒトラーは、美術品略奪に執着したのか。欧米で活躍する歴史家、美術研究家をはじめ、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元に、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫る。


【動画】『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』本編映像


 このたび公開された本編映像では、ナチス・ドイツ政権下、ヒトラーの右腕的存在だったゲーリングの画商が、彼の命で絵画1376点、彫刻250点、タペストリー168点もの美術品を収集していたことを紹介する様子が映し出されている。さらに、ヒトラーが大勢の部下を引き連れて、美術品展示を見てまわる当時の貴重な映像が続く一方、キュレーターや歴史家だけでなく、芸術家もナチ政権に協力し、ユダヤ人からの美術品強奪に加担していた事実も。その背景にあったヒトラーの思想について、略奪された美術品回収が専門の弁護士いわく、「(この行為は)芸術への執着以上で、文化の崩壊にほかならない。彼らの目的はユダヤ人絶滅。美術品略奪も“兵器”だったのだ」と解説する。


 ナチス・ドイツによる美術史上最悪の略奪により、個人・美術館・協会から奪われた美術品は、なんと60万点。そのうち所在が確認できたのはたった10万点で、残りは行方不明だという。


(リアルサウンド編集部)