1950年にイギリス・シルバーストン始まったF1世界選手権は、2019年4月14日の中国GP決勝レースで、1000回目の記念大会を迎える。
過去の節目のレースを制したドライバーとチームは以下の通りだ。
第1戦
1950年第1戦イギリスGP
勝者 ジュゼッペ・ファリーナ(イタリア人/アルファロメオ)
100戦目
1961年第6戦ドイツGP
勝者 スターリング・モス(イギリス人/ロータス・クライマックス/ロブ・ウォーカー・レーシングチーム)
200戦目
1971年第3戦モナコGP
勝者 ジャッキー・スチュワート(イギリス人/ティレル・フォード)
300戦目
1978年第3戦南アフリカGP
勝者 ロニー・ピーターソン(スウェーデン人/ロータス・フォード)
400戦目
1984年第12戦オーストリアGP
勝者 ニキ・ラウダ(オーストリア人/マクラーレン・TAG)
500戦目
1990年第16戦オーストラリアGP
勝者 ネルソン・ピケ(ブラジル人/ベネトン・フォード)
600戦目
1997年第3戦アルゼンチンGP
勝者 ジャック・ヴィルヌーヴ(カナダ人/ウイリアムズ・ルノー)
700戦目
2003年第3戦ブラジルGP
勝者 ジャンカルロ・フィジケラ(イタリア人/ジョーダン・フォード)
800戦目
2008年第15戦シンガポールGP
勝者 フェルナンド・アロンソ(スペイン人/ルノー)
900戦目
2014年第3戦バーレーンGP
勝者 ルイス・ハミルトン(イギリス人/メルセデス)
こうしてみると、節目のグランプリを制してきたドライバーは皆、強者ばかりだ。ただし、なぜか、F1史に残る偉大なあのドライバー2名の名前がない。ひとりは音速の貴公子、アイルトン・セナ。もうひとりは皇帝ミハエル・シューマッハだ。
セナの場合は、タイミングが悪かった。セナが参加した最初の節目のグランプリとなった400戦目の1984年のオーストリアGPは、セナのデビューシーズンで、当時所属していたトールマンは優勝を狙えるチームではなかった。500戦目の1990年はタイトルを獲得していたが、オーストラリアGPはタイトルを獲得した日本GPの直後の最終戦。残念ながら、リタイアに終わっている。
2000年から5連覇したシューマッハには、もう少しチャンスがあったはずだが、最大のチャンスとなった2003年はシューマッハが最も苦しんでタイトルを獲得したシーズンだった。
節目のグランプリではなぜかフェラーリは勝っていないのも気になるところ。また1戦目の勝者はその年のチャンピオンで、以降無冠ドライバーと王者が100戦ごと800戦まで、節目のレースを制しているのも興味深い。つまり、チャンピオン以外のドライバーにも十分チャンスがある。
さらに700戦目のフィジケラの勝利は1戦後に確定し、800戦目のアロンソの勝利はいわゆる『クラッシュゲート』によるものと、ハプニンクが起きることも珍しくない。
1000戦目のレースで誰が勝つか。その前に、1000戦目のレースに参加する20名のドライバーを祝福したい。