今季からフランス・オレカ製の専用ワンメイク・エンジンとなる最新の2リッター4気筒直噴ターボを導入したSTC2000シリーズ ホセ-マリア・ロペスやエステバン・グエリエリ、ネストール・ジロラミらグローバルに活躍するツーリグカードライバーを多数輩出する南米アルゼンチンの人気シリーズ、スーパーTC2000(STC2000)の開幕戦が4月6~7日にコルドバのオスカー・カバレンで開催され、チャンピオンチームのルノースポール、フルーエンスGTをドライブするリオネル・ペーニャと2連覇中の王者ファクンド・アルドゥソがワン・ツー・フィニッシュを飾った。
長年シリーズで使用されてきたイギリス・ラディカル製の超コンパクトV型8気筒2700cc自然吸気エンジンに別れを告げ、2019年からフランス・オレカ製の専用ワンメイク・エンジンとなる最新の2リッター4気筒直噴ターボを導入したSTC2000シリーズ。
その初戦となる開幕戦では、こちらも新規導入となる“スーパー・クオリファイ”も開催され、標準予選セッションで上位6台に残ったドライバーがシングルラップのシュートアウトに進出。6番手タイムを記録したドライバーから1発勝負で最後のグリッドを決める新方式が採用された。
最初の出走順となったシボレーYPFのベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)が4番手タイムを記録し、以下5番手にTOYOTA GAZOO Racing YPF Infiniaのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)となり、続くマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT)はセクター最速を記録するも、トラックリミットを越え24秒ものタイムを失い6番手となった。
このシュートアウトで最速を記録したのは同じくルノースポールのペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)となり、3番手となったトヨタのエース、マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)を0.243秒しのぐ1分32秒782をマーク。チームメイトのディフェンディングチャンピオンをも0.045秒上回り、2リッター4気筒直噴ターボ時代の幕開けを告げる最速タイム保持者となった。
明けた日曜正午スタートのフューチャーレースは、こちらもシリーズではひさびさの試みとなるスタンディングスタートが採用され、1コーナーはポールシッターのペーニャがホールショット。王者アルドゥソも続き、ルノースポール勢が盤石のダッシュでワン・ツーを堅持する。
その後方では5番グリッドから出たトヨタのミラが1コーナーまでにシボレーのレイバーをかわして3番手に浮上。ルノー2台を追いかける展開となっていく。
一方、トヨタのファクトリードライバー陣で長年エース格を務めてきた3番手ロッシのカローラは、予選時の最低重量規定違反が発覚し最後尾グリッドに回ることとなり、チームのミスを挽回すべくどこまでポジションを回復できるかがレース前半のハイライトとなった。
その期待に応える力走を見せたロッシとカローラSTC2000は、今季プジョーからフィアットのファクトリーチームへと変貌したDTAレーシングのマリアーノ・ウェルナー(フィアット・ティーポSTC2000)の背後まで這い上がり、8番手争いを繰り広げる。
さらに、9番手グリッドからのスタートだった2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)もレース序盤にジャンプアップを果たし、チームメイトのレイバーとシトロエン・トタル・STC2000チームのルーキー、マルセロ・チャロッキ(シトロエンC4ラウンジ)を抜き去り4番手に浮上してくる。
しかし終盤に向けてはポジション変動は起こらず、そのまま27周のチェッカー。ペーニャ、アルドゥソのルノースポールが新時代のシリーズで盤石のワン・ツー発進を決め、最後の3位表彰台にトヨタのサンテロが滑り込んだ。
そして4位カナピノに続き5位に入った新鋭チャロッキだったが、こちらもレース後車検でミニマム・ウエイトに届かず失格処分が降ることとなり、シボレーYPFのトーマス-ガリアルディ・ジェネが5位、以下6位にはウェルナーを仕留めたトヨタのロッシ、シトロエンのファクンド・チャプル、フィアットのウェルナー、ルノーのミラと続き、最後のトップ10には繰り上がりで今季から現地法人のファクトリー支援を受けフル参戦するホンダ・レーシング・アルゼンティーナのホセ-マニュエル・ウルセラ(ホンダ・シビックSTC2000)が入っている。
次戦STC2000シリーズの第2戦は中南部リオネグロ州のジェネラル・ロカを舞台に、4月27~28日に争われる。