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『ストロベリーナイト・サーガ』重岡大毅は演技派として関西ジャニーズ勢を牽引? 親近感が魅力に

2019年04月11日 08:11  リアルサウンド

リアルサウンド

 2010年に竹内結子主演で映像化され、その後連続ドラマや映画が立て続けに制作された誉田哲也の人気ミステリー「姫川玲子シリーズ」。それを新たなキャスティングで再映像化したフジテレビ系ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』がスタートする。今回の作品で姫川を演じるのは『翔んで埼玉』のハジけた演技も記憶に新しい二階堂ふみ。そして前回西島秀俊が演じた年上の部下・菊田にはKAT-TUNの亀梨和也で、武田鉄矢が演じた“ガンテツ”には江口洋介と、大きく一新された印象を受ける。


参考:重岡が演じる役は?


 そんな本作の第1話で描き出されるのは、まさに原作シリーズの1作目であり、前回はスペシャルドラマで描き出された連続殺人事件。その物語のキーパーソンとなる“姫川班”の最年少・大塚真二を演じているのが、亀梨の事務所の後輩であり、ジャニーズWESTの中心メンバーとして活躍する重岡大毅だ。どのように重要になるのかということは原作や前作を知っている人ならばわかることだが、あえてそれについては言及を避けておこう。


 この大塚という役どころは、姫川がノンキャリアの27歳で自分の班を持ったことに尊敬の念を抱き、彼女を目標に奔走する若手刑事。“姫川班”最年少の刑事で重岡が演じるとなると、前回のドラマ版で関ジャニ∞の丸山隆平が演じた湯田康平のようなムードメーカー的ポジションになるのかと思ってしまうが、今回その役柄は中林大樹が演じるとのことだ。よって重岡は、パブリックイメージとは少し違い、物語をシリアスな方向へと運ぶ役回りを務めることになるのだろう。


 関西ジャニーズJr.時代から同世代のJr.メンバーとともに切磋琢磨してきた重岡が全国区の知名度を獲得したのは、やはり2014年に放送されたTBS系ドラマ『ごめんね青春!』だろう。宮藤官九郎が脚本を務め、黒島結菜や竜星涼、矢本悠馬らその後の活躍が著しい若手キャストが集結した同作で、重岡は男子校から女子校にできた共学クラスへ移る“からくり人形”のあだ名の男子生徒を演じていた。近年の学園ドラマでは珍しい、徹底して明るい様相がただよう同作のカラーにしっかりと浸透した突き抜けて明るい演技と、劇中の青春恋愛要素を担う役割を果たしていたわけだ。


 重岡の演技の持ち味となるのは、ジャニーズ俳優の特権でもあるルックスの良さはもちろんのこと、そのキャラクターも相まって浮き出てくるどこか庶民的な親しみやすさではなかろうか。凛々しい表情もサマになる一方で、一瞬にして三枚目に移行することができるギャップ性が、彼の懐の広さを感じさせる。山戸結希監督の『溺れるナイフ』で菅田将暉と小松菜奈というカリスマティックな主人公を引き立てて物語を豊かにし、同じジャニーズWESTの神山智洋とダブル主演を張ったNetflixドラマ『宇宙を駆けるよだか』ではクラスの人気者と、現実から飛躍した物語の中でもひときわリアルな好青年を演じることによって、受け手と物語とを適切な距離感で媒介していく。


 前クールで放送された『節約ロック』ではKAT-TUNの上田竜也演じる主人公のライバル役としてユニークな魅力を放ち、本作では亀梨の部下と、立て続けにジャニーズの先輩と共演することで、その異彩ぶりを際立たせていく重岡。同グループの小瀧望が今期の日本テレビ系列ドラマ『白衣の戦士!』に出演したり、後輩のなにわ男子が注目を集めるなど、いま充実一途の関西ジャニーズ勢を牽引し、演技派俳優として名を馳せる日もそう遠くはなさそうだ。 (文=久保田和馬)