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2003年のWRC世界王者ペター・ソルベルグが世界選手権から引退。レーサーとしての活動は継続

2019年04月11日 00:21  AUTOSPORT web

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世界選手権からの引退を表明したペター・ソルベルグ
2003年のWRC世界ラリー選手権チャンピオンで、2014~15年にはWorldRX世界ラリークロス選手権でもシリーズチャンピオンに輝いたペター・ソルベルグが、トップカテゴリーからの引退を表明した。

 1974年11月18日生まれのソルベルグは、現在44歳。1992年にラリーデビューを果たすと、2003年にスバルから参戦したWRCでカルロス・サインツ、セバスチャン・ローブ、リチャード・バーンズを抑え、ワールドチャンピオンに輝いた。

 WRCでの活動を終えてからは、自身の“ルーツ”でもあるラリー競技とサーキットレースの要素を兼ね備えたラリークロス競技に転向。2014年に創設されたWorldRXに自チームのPSRXから参戦すると2年連続のシリーズチャンピオンに輝いている。

 以降もWolrdRXを主戦場としてきたソルベルグは、2017~18年には僚友ヨハン・クリストファーソンの活躍でチームチャンピオンを獲得。またフォルクスワーゲン・モータースポーツが開発したカスタマー向けラリー車両、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5の開発にも携わってきた。

 しかし、2019年はフォルクスワーゲンがWorldRXへの関与を終了したこともあり、PSRXとしての活動を“一時停止”。今季は世界選手権へ参戦していなかった。

 そのソルベルグは4月10日に自身のTwitterにビデオメッセージを投稿。スポット参戦の可能性は残しつつも、世界選手権から身を引くことをアナウンスした。

「少し感傷的になるニュースがある」と切り出したソルベルグ。

「ラリーやラリークロスといったカテゴリのチャンピオンシップでドライブすることを辞めることにした。生き方を変えるときが来たんだ」

「簡単な決断ではなかったけど、去年身体を壊したとき、ある考えが頭をよぎった。これまで長くの間、モータースポーツの世界で活動できたことは誇りに思っているし、キャリアを支えてくれたファンにも感謝している」

「しかし、夢というものは形を変えていくものなんだ。感情が高まる日だけど、世界中のファンからサポートを受けて、僕がこれまで成し遂げてきたことは誇りだ。今回の決断によって、いろいろな可能性が生まれると思っているし、今までとは違う夢を追う機会にも恵まれるはずだ」

 ただし、ソルベルグは「ヘルメットを置くつもりはない」として、レーシングドライバーとしての活動は継続することも明らかにしている。

「今年はグッドウッドにも参加するし、ノルウェーではヒルクライムにも出場する。ポーランドではジムカーナ・グリッドにも出場するつもりだ。そのあと活動についても、今後お知らせしていく」