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二階堂ふみが挑む、新たな姫川玲子像 『ストロベリーナイト・サーガ』への意気込みを語る

2019年04月10日 13:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 誉田哲也のベストセラー警察小説『姫川玲子シリーズ』が、フジテレビ系木曜劇場にて再び映像化される。2010年に放送されたスペシャルドラマ『ストロベリーナイト』で主人公の女性刑事、ノンキャリアでありながら27歳という若さで警部補に昇任した姫川玲子を演じた竹内結子に代わり、新たに生まれ変わる『ストロベリーナイト・サーガ』では二階堂ふみが主演を務める。


【写真】二階堂ふみ撮り下ろしカット


 本作で二階堂とW主演を務めるのは姫川の年上の部下・菊田和男を演じる亀梨和也。そして姫川の天敵である警部補・勝俣健作“ガンテツ”を江口洋介が演じる。二階堂に、2度に渡っての実写化を果たす『姫川玲子シリーズ』の魅力、そして本作への意気込みを聞いた。


■「やっぱりどこか背負うものはある」


ーー『ストロベリーナイト』のキャストを一新してドラマ化する発表があった際、とても驚きました。今回なぜこの役に挑戦しようと思ったのですか?


二階堂ふみ(以下、二階堂):原作がとても人気ですし、前作もすごく支持された作品だったので、またイチから新しい作品として作るのは挑戦的だなと思いました。同時に、その強い覚悟をプロデューサーやディレクターの方々に感じて、この挑戦に一緒に参加させていただけたらなと。


ーー今回が連続ドラマの初主演ですね。


二階堂:主演としてやっぱりどこか背負うものはあるんだろうなと感じていますが、最後までスタッフ、キャストの方々と寄り添って面白い作品を作っていきたいです。アクションも多いですし、内容的にもなかなかハードな撮影も多いですが、すごくいい現場を用意していただいているので、そこで精一杯いいお芝居をしたいですね。現場で光を焚いてくださる照明の方々や録音、美術の方々など、全員の思いを、テレビに映るいちキャストとして、視聴者の方々に感じとっていただけたらなと思います。


ーーこの作品が、2度の実写化というところで、長きにわたって実写化される原作の魅力をどう感じますか?


二階堂:原作がとても面白く、自然に自分の頭の中で映像が浮かんでいました。姫川がこういう動きをとったとかこういう場所にいるんだなと全て頭の中で再生されるような。ファンの方々それぞれの中にある姫川玲子像や物語のイメージも強いと思いますし、そのなかで、完璧な『ストロベリーナイト』を作り上げた方々は本当に素晴らしいなと、前作に対する敬意がよりいっそう強くなります。今回もそんな風に思っていただけるよう頑張りたいです。


ーー原作者の誉田さんが「前作を超えなければならない」とコメントされていました。


二階堂:超えなきゃいけないという意識もありますが、そこだけに捉われずに、またちょっと一味違う『ストロベリーナイト』と姫川玲子を視聴者の皆さまに楽しんでいただけるような作品にできたらと思います。


ーー姫川玲子にどのようなイメージを持って、役作りしていますか。


二階堂:姫川玲子は男社会の中で刑事としてのプライドを誰よりも持ってるのですが、自分が背負っている過去の苦しみもどこかで抱えていて、非常に難しいバランスの中で生きていると感じました。一人の刑事であり、一人の女性であると思うので、そんな彼女の繊細さやたくましさを、いいバランスで演じていきたいです。


■「体感しながら楽しめる作品に」


ーー亀梨さんとは初の共演ですね。


二階堂:亀梨さんが以前、菊田のちょっと冴えない部分を感じとっていただきたいとおっしゃっていて。でも、いざという時に姫川にとって一番頼りになるのが菊田なんです。1話以降も、いいパートナーと言いますか、たくさん助けていただくようになっていくので、そういう部分が徐々に垣間見えてきて、いち共演者として、私も頑張らなきゃいけないなと刺激をたくさんいただいています。助けていただくシーンを撮っている時に菊田のかっこよさを感じることが多く、今後、話が続いていくにつれてどんどん関係性も変わっていくので、徐々に徐々に、色々なことをご相談させていただきながら、引き出し合えたらなと考えています。


ーーそして、姫川の天敵“ガンテツ”を演じるのが江口さんです。


二階堂:江口さんは何度かご一緒させていただいてるんですが、今回かなり癖の強い刑事の役です。クランクイン直後に現場でお会いした時にはもうガンテツのアクの強さが既に出来上がっていて、江口さんの身体の大きさと、雰囲気にすごく合っているなと感じました。


ガンテツって実は、先輩の刑事として姫川に対して危機を感じていて、分かりやすい助言ではないですが、ガンテツの言葉で姫川自身がハッと大切なことを気づかされる、なかなか微妙な関係です。私自身としても、お芝居でご一緒したり、現場でシーンを見るたびに、学ばせていただくこともありますし、江口さんの芝居が面白くて、いち視聴者のような目線で、ついつい見てしまいます。


ーー毎クール局を問わずたくさんの刑事ドラマが放送されていますが、今回作品に携わってみて刑事ドラマにどんな魅力を感じますか。


二階堂:普段私たちがニュースで見ている事件や、知っているようで知らない世界を覗くことができるのが刑事ドラマの面白さだと思います。一つの組織の中でさえ、実は戦いがあったり、矛盾があったり、そういう機関にいる人間の葛藤が描かれることで、非人道的なものと人情の両方が掛け合わされるというか。今回の『ストロベリーナイト・サーガ』は特に細かく描かれていくので、そんな刑事ドラマの醍醐味をぜひ堪能していただきたいです。


ーー映画『翔んで埼玉』がヒットし、今回も初主演。追い風が吹いている状態かと思いますが、ご自身ではどう捉えていますか?


二階堂:自分ではなかなか客観視はできませんが、毎回、いい現場で本当に刺激的な方々と出会うことができて、作品作りをご一緒させていただいています。とにかく今は自分の女優としてのどうこうというより、いい作品を作って、一人でも多くの方々がこの作品を観て良かったなとか、いい時間だったな、と思っていただけるように、全力で作品に取り組んでいるのが毎回続いている感じです。


自分にとっての課題でもあるのですが、『ストロベリーナイト・サーガ』も視聴者の方々に寄り添いながら、一緒に姫川玲子と事件を解決してるような気分にできたらなと思っています。観る方々が姫川班の一人でもいいですし、姫川自身でもいいですし、それを体感しながら楽しめる作品にしていきたいです。


(大和田茉椰)