2019年のモンスターエナジーNASCARカップは4月7日、テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで第8戦が行われ、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が優勝。2019年シーズン3勝目を奪った。
第8戦の舞台となったブリストルは1周0.533マイル(約860メートル)のショートオーバルで、最大バンク角が28度あることから平均速度も高く、“世界最速のハーフマイル”とも呼ばれている。
このブリストルで過去7勝を挙げているカイル・ブッシュは、予選17番手から決勝に臨んだ。
125周、125周、250周の3ステージ合計500周で争われた決勝、ステージ1はチェッカーまで残り2周のリスタートでクリント・ボウヤー(フォード・マスタング)を交わしたタイ・ディロン(シボレー・カマロZL1)が写真判定の末にトップを掴んでみせた。
後方からのスタートだったカイル・ブッシュはスタート直後にリッキー・ステンハウスJr.(フォード・マスタング)に追突される不運もあったが、ステージ6位で走りきっている。
続くステージ2は145周目でトップに浮上したジョーイ・ロガーノ(フォード・マスタング)が席巻。ステージ2位に入ったライアン・ブレイニー(フォード・マスタング)に1.65秒のギャップをつけてトップチェッカーを受けた。
迎えた最終ステージ3では、ステージ2を5位で終えていたカイル・ブッシュが上位争いを演じ、一時はトップに浮上してみせる。そしてチェッカーまで残り23周のところでカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)がスピンしたため、イエローコーションが導入された。
ここで多くのドライバーがピットインを選択したのに対し、カート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)とカイル・ブッシュなどはステイアウト。レースは残り14周で再開され、ブッシュ兄弟による優勝争いが展開した。
この兄弟対決では、ブリストルで7勝と相性のいいカイル・ブッシュが速さを発揮。実兄のカート・ボッシュを交わすと、その後はフレッシュなタイヤを履くライバルも抑えてトップチェッカーを受け、2019年シーズン3勝目、シリーズ通算54勝目を手にしてみせた。
「とにかくタフな戦いだった。ただ勝つことだけを考えて戦ってきたよ」とカイル・ブッシュ。
「終盤、兄のカート(ブッシュ)とのバトルは楽しかった。サイド・バイ・サイドの長期戦にはならなかったね。彼が前を走っているのを見て、自分のほうが速いと感じて、すぐに差を詰められたよ」
下位シリーズのNASCARエクスフィニティ第7戦では、クリストファー・ベル(トヨタ・スープラ)がシーズン2勝目を達成。この2019年からシリーズを戦っているトヨタ・スープラは通算5勝目を手にしている。
モンスターエナジーNASCARカップ第9戦は4月13日、バージニア州リッチモンドのリッチモンド・レースウェイで行われる。