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ジェンソン・バトン「チャレンジし続けているから、やる気満々」/スーパーGT王者に聞く手応えと期待値

2019年04月10日 12:11  AUTOSPORT web

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バトンはまた「塚越(広大)はいつも速いし、チームメイトが常に努力を重ねているベルトラン・バゲットに代わって、17号車も強さを見せるはずだ」とKEIHIN NSX-GTも“警戒”
初参戦ながら、山本尚貴とともに2018年のスーパーGT GT500タイトルを獲得したジェンソン・バトン。オフの間も精力的にテストをこなし、開幕を目前に控えたいま、バトン自身は2019年の勢力図をどう見ているのだろう。(取材は3月30日、富士公式テスト初日に実施)

■開幕前のテストでは苦戦続くRAYBRIG NSX-GT。「結構難しさを感じている」

「まだテストの段階だから誰が本当に速いのか分からないし、難しいよね。各チームがどのようなことをしているのか分からないから、誰がライバルになるかっていうこともよく分からない。燃料の量も使っているタイヤのレンジも分からないし、想像でしかないんだ」

「タイムだけを見ると、12号車(カルソニック IMPUL GT-R)が常に速さを見せている。それに関しては、ちょっと驚きだ」

「ただ、過去の戦績から言って、37号車(KeePer TOM’S LC500)は常に強さを見せているし、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)もコンペティティブ。もちろん12号車も、去年よりは手強そうだよね。だけど、実際にはフタを開けて見るまで分からないよ」

「僕たちに関して言えば、ここ何回かのテストでいろいろなことを試して、結構難しさを感じている。うまくいったものもあるし、そうでないものもある。それに、クルマを真に理解するという意味で難しかったのは、この冬の天候の悪さ。そこはキツかったね」

「だから、この富士テストで最終確認したいと思っているし、そうすれば自信を持って開幕戦を迎えることができると思うんだ。同じホンダ陣営で言えば、8号車(ARTA NSX-GT)は予選でとても強いよね。野尻(智紀)が予選ですごく速いし、それがレースでの結果にも貢献していると思う。予選がすべてではないけれど、去年の後半、彼らの仕事ぶりは素晴らしかった」

「今年もホンダのクルマは全車戦闘力が高いと思っているよ。ホンダ陣営はみんなでクルマをより良くしようとテストで協力し合っているから、その他のクルマも速いと思う。その上で、レースウイークにはライバルとしてお互いに戦うっていうのは、すごくいいことだよね」

■バハ1000参戦も表明したバトン。若さの秘訣は「新しいことにチャレンジしているから」

 一方、このオフシーズンの間に、彼はオフロードレースのバハ1000に参戦することも発表した。その他にもWECに出場したり、ラリークロスのクルマに乗ったりしているが、それはなぜなのだろうか。

「バハに出るのは、楽しいからだよ(笑)。そして、自分にチャレンジするためだ。バハは、他のレースとはまったく違っているし、僕がいままで経験したことがないような競技なんだ。だから、また新たに多くのことが学べると思うし、ジャンプしたりいろいろなことがあって、すごくチャレンジングなんだ」

「今後もいろいろなレースに挑戦したいと思っている。新たな技術を学ぶのは楽しいからね。だからこそ、フェルナンド(アロンソ)もいろいろなカテゴリーに挑戦しているんだろうし。僕はトリプルクラウンを獲得するとか、そういう夢を持っているというより、いろいろと違うことを試したいという気持ちがあるね」

「F1と比べたらスーパーGTは大きく違っているし、バハもまったく違う。僕はラリークロスも好きだし、IMSAシリーズも楽しんでいる。新しいことへのチャレンジが僕をやる気にさせてくれるし、ワクワクさせてくれるんだ」

「僕はいま39歳で、決して実年齢として若いとは言えないけど、自分自身ではまだ若いと感じている。それは、新しいことにチャレンジしているから。もし同じことを何年も何年もやっていたら、少しくたびれてしまうと思うけどね。いろいろなことをやっているから、いつもやる気満々なんだ!」