ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、スチュワードはF1を牛耳っており、ミスから学ぼうという姿勢がないため、誤った判定を繰り返していると述べている。
第2戦バーレーンGPの予選では、ロマン・グロージャンはランド・ノリス(マクラーレン)の進路を妨げたとして3グリッド降格ペナルティを受け、8番手から11番手までグリッドを下げられてしまった。
グロージャンは進路を妨害したことでペナルティポイントも科され、その裁定にシュタイナーは憤慨した。ところが翌日の決勝レース1周目で起きたグロージャンとランス・ストロール(レーシングポイント)の接触については、単なる“レーシングインシデント”と見なされ、シュタイナーの怒りは再びよみがえることになった。
「エイペックスでもうひとりのドライバー(ストロール)が彼に対してアンダーステアになったのは明らかだ」とシュタイナーは語った。
「我々の親友であるスチュワードは、最終的に何もしないことを決めた」
「私は夜眠れるが、それは心にやましいところがないからだ。もしかするとスチュワードたちは良心がとがめて眠れないのかもしれない。私は自分のやったことにやましい点などないのだ」
常に率直なシュタイナーは、しばしばスチュワードに対する不満を爆発させており、スチュワードが関係者全員による議論にもっと注意を向けることを促している。
「私は彼らが聞きたくないようなことを言っているかもしれないが、間違いを犯してそれを改善する必要がある場合は、耳を傾ける必要がある」
「だから彼らは誤審を繰り返すし、決して我々の話を聞こうとしない。彼らはF1を支配していると思っているのだ」
バーレーンGPではドライバーとスチュワードが集まり、コース上でのインシデントに関してより寛大な、“自由にレースをさせる”ポリシーを採用することについて十分な話し合いが行われていた。
グロージャンはしばしばスチュワードにペナルティを科されてきてはいるが、彼はペナルティについての行き過ぎた寛大さについて牽制した。
「僕たちは無茶をしたいわけではない。でも故意ではなく、単にオーバーテイクしようとしてロックアップし、接触してしまったということなら、それは大騒ぎするようなことではない」とグロージャンは説明した。
「もし“2012年のベルギーGPでのグロージャン”や、“2018年のベルギーGPでのヒュルケンベルグ”のようなことをしたら、意図的ではないにせよ、結果が重大だから、ペナルティが科されるだろう。“(2018年の)シンガポールGPでのペレス”も同様だ」
「でも1周目でブレーキングが遅れる時がある。それに2018年のアメリカGPでシャルル・ルクレールに接触したことは申し訳ないと思うけれど、彼はフロントウイングとフロアにダメージを負っていて、彼のレースはすでに終わりかけていた。だから結果はそれほど重大ではなかったと思う」
「(あれは)レーシングインシデントだった。彼のレースが影響を受けたからといって、僕たちに何ができる? 僕たちに言えるのは、“1周目は誰もがポジションを争うんだ”というくらいのことだと思う」
「だからといってフォーミュラEのレベルを求めてはいない。フォーミュラEは少々やり過ぎだと思う。でも(F1では)誰かに接触すると、自分のマシンはどっちみち壊れてしまうんだ」