4月9日、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、8月23~25日に開催される2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』に、マクラーレン720S GT3が1台参戦すると発表した。ドライバーには全日本F3選手権で活躍する久保田克昭に加え、二度のスーパーフォーミュラ王者である石浦宏明、さらに1998~99年F1世界チャンピオンのミカ・ハッキネンが名を連ねることになった。
GT3カーの“世界一決定戦”として2018年から10時間レースに改められた鈴鹿10時間は、世界5大陸のレースに冠がかけられたインターコンチネンタルGTチャレンジの一戦にも数えられ、初年度からヨーロッパのワークス格のチームやドライバーが参戦。スーパーGT GT300クラスのチームと戦うなど、世界を感じられる一戦となった。
2年目の鈴鹿10時間に向けては、すでに日本チームを中心に参戦発表が行われているほか、今季からピレリスーパー耐久シリーズのスペシャルステージとなり、台数の増加も予想されている。そんななか、非常に豪華なメンバーのチームが参戦することになった。
参戦するマシンはマクラーレン720S GT3。今季スーパーGTにも1台が参戦しているマクラーレンの意欲作だ。その参戦自体が興味深いものだが、さらにここに、現在マクラーレンのアンバサダーを務めている二度のF1王者ハッキネンが加わることになった。
ハッキネンは1991年にロータスでF1デビュー。1993年は終盤3戦の参戦のみだったがマクラーレンに加わると、1997年最終戦で初勝利。1998~99年にはワールドチャンピオンに輝き、ミハエル・シューマッハーとのライバル関係はF1界を大いに沸かせた。
F1引退後は、2005~07年とDTMドイツ・ツーリングカー選手権に参戦したが、その後は2008年にILMC上海にメルセデスSLS AMG GT3で参戦したりと散発的にスポット参戦したのみで、本格的なレース参戦はほとんどなかったが、今年はひさびさに実戦でのハッキネンの走りを鈴鹿で観られることになる。
パートナーも豪華だ。全日本F3選手権に参戦するほか、往年のF1やグループCカーの名車を多数所有し、モナコでヒストリックF1を制したり、ル・マン24時間でのクラシックレースで多くの実績を残しているジェントルマンドライバーの久保田克昭、そして二度のスーパーフォーミュラ王者で、久保田のコーチも務めている石浦宏明がトリオを組む。現役GT500&SFドライバーである石浦が、マクラーレン720S GT3をどう駆るかも見ものだ。
「2017年3月に16年ぶりに鈴鹿サーキットを訪問し、日本の熱狂的なファンと再会することができた。また、昨年は、MP4/13をドライブし、鈴鹿の独創的なコースレイアウトを楽しんだ。そして今年は、久しぶりにレースに復帰することを決め、その場所に鈴鹿を選んだ」とハッキネンはコメントしている。
「鈴鹿は、初めてF1チャンピオンを獲得した場所であり、熱狂的な日本の友人が多く居る場所だ。この素晴らしいプロジェクトを推し進めてくれたKatsu-san(久保田)とモビリティランドには非常に感謝している。そして、8月に再び日本のファンに会えることを楽しみにしている」
今季も多くの話題がありそうな鈴鹿10時間。ハッキネンと久保田、そして石浦の参戦はその話題のなかでも大きなもののひとつになりそうだ。
チーム体制
チーム名:TBN
マシン:マクラーレン720S GT3
オーナー:久保田克昭
ドライバーミカ・ハッキネン/久保田克昭/石浦宏明