ルノーのスペシャルアドバイザーを務めるアラン・プロストは、マシンよりも人が主流となり、技術力よりも人の“創造力”が重用されることを将来のF1に望んでいる。
F1は数十年にわたって世界的な巨大スポーツ企業に進化してきたが、2014年のハイブリッド時代の到来によって、その技術レベルは前例のない高さに引き上げられた。
4度のF1世界チャンピオンであるプロストは、卓越した性能を持つF1のV6ターボハイブリッドエンジンを称賛する一方で、F1が人間的要素により重点を置くことを願っている。
「我々は多くの技術やデータを扱う時代にいる」とプロストはFIA発行の『AUTO』誌に語った。
「この技術は素晴らしいものだし、主要なエンジンマニュファクチャラーにとっては非常に良いものだ。社会と競技の間により多くの関連性がある」
「そのことを念頭に、F1の将来の方向性について私の意見を述べるとしたら、F1は多くの意外性と戦略的可能性のある、より創造的な方向へ進むべきだと思う」
「F1をもっと人間寄りにする必要がある。ドライバーやエンジニアたちの側へだ。技術面に重点を置くことを少し控え、人間的な面を強調しなければならない」
「もちろんエンジニアリングにおける高い技術は必要だが、もっとバランスを取るべきだと思う」
「そうすれば、F1は外部の人々にとってもう少し分かりやすいものになるだろう」
フェラーリの伝説的なデザイナーであり、1962年から1987年までその職務に当たったマウロ・フォルギエリは、F1がハイブリッド技術へ移行したのは正しい選択だが、空力に関しては誤りがあると述べている。
「私は今でもF1を観ている」と84歳のフォルギエリは話した。
「ハイブリッド技術への移行は正しいことだが、私は本物のオーバーテイクが見たい。本物のオーバーテイクを見せる唯一の方法は、(私が忌み嫌う)DRSを廃止し、空力ダウンフォースを削減して、技術革新はすべてホイールベースに関する領域に投入することだ」
「そうすればオーバーテイク中に、乱気流の発生や障害となるものを減らすことができる」
「そして私だったらエンジンに関するルールの多くを廃止し、創意工夫を凝らす余地を増やすだろう。ハイブリッドパワーというよりも、それぞれ独自路線を行くのだ」