ジャック・ビルヌーブは、マックス・フェルスタッペンがドライバーとしても人間としても成長し、成熟の度合いを高めたため、今では世界タイトルを争うことができると考えている。
F1における実力形成期にあった以前のフェルスタッペンに対し、ビルヌーブは厳しい意見を述べてきた。コース上での彼の行動を批判し、十分な準備ができていないままF1に昇格したと主張していたのだ。
歯に衣着せぬビルヌーブは、2018年にはフェルスタッペンの度重なるお粗末なパフォーマンスをこき下ろしてもいた。
しかしながら1997年のF1世界チャンピオンであるビルヌーブは徐々に意見を変え、21歳のフェルスタッペンは、数年前とは違うドライバーになったと語っている。
ビルヌーブはオランダのウェブサイト『RacingNews365』の独占インタビューで「F1でレースをするチャンスが来たら、確実に両手で掴みにいくものだ」と述べている。
「若いドライバーにはF2でのシーズンが自分に何をもたらすかが分からないから、選択肢があるならF1を選ばずにはいられない」
「マックスはレッドブルを選ぶという正しい選択をした。レッドブルは彼にとても合っている。彼らはひとりのドライバーに合わせてチームを構築するからだ。もし違うチームに所属していたら、彼が長く続けられたとは思わない」
「この数年マックスが良い仕事をしてきたことを認めよう。彼は今や、3年前とは違うドライバーなのだ」
「現在の彼の調子なら、優れたマシンがあればタイトルを争えるだろう」
「タイトル獲得のチャンスは、今シーズンには訪れないかもしれない。だがこれから数年で、人間としてタイトルへの準備が整うと思う」とビルヌーブ。
評論家でもある47歳のビルヌーブは、若手ドライバーのうち、十分な準備ができている者のみがF1に昇格すべきだと主張している。
「F1に昇格するドライバーは、すぐにでも競争に加われるような準備ができていなければならない」とビルヌーブは付け加えた。
「つまり、準備期間中に多くのことを学んでおかなければならないということだ」
「フェルスタッペンもそのようにF1デビューを飾るべきだった。彼にはごく若い時期にチャンスが訪れたから、経験が非常に少なかった」
「チャンスを掴むことは理解できる。F1昇格を拒否するようなことなど、できないからね」
またビルヌーブは、F1においてフェルスタッペンが急速な成長を遂げるのに、彼の父親で元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンが助けになったと考えている。
「ヨスはその役目をとてもクレバーにこなした」とビルヌーブ。「彼はマックスがレッドブルにとって非常に重要な存在になり得ることを、彼らに明確に示して見せたのだ」
「最終的にその試みはうまくいった。結果として今のチームは、完全にマックスを中心に作り上げられている」