財務省と日本銀行は4月9日、日本銀行券の改刷と500円硬貨の改鋳を発表した。現在、紙幣には、1万円札に福沢諭吉、5000円札に樋口一葉、1000円札に野口英世がデザインされているが、2024年からはそれぞれ渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎になる。
500円硬貨は2021年度上期を目処に材質を変更。これまでのニッケル黄銅単一から、ニッケル黄銅と白銅、銅の混合になる。紙幣も硬貨も、新しい偽造防止策が取られる予定だ。
財務省と日銀は新紙幣・新硬貨の発行に合わせ、
「『現行の日本銀行券が使えなくなる』などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にご注意ください」
と呼びかけている。
一度発行されたお金は特別な措置がない限りずっと使える
新紙幣や硬貨が発行されても、現在使っているお金はこれまで通り使い続けることが出来る。関東大震災後の1927年に行われた焼失兌換券の整理、1946年の新円切り替え、1953年の1円未満の小額通貨の整理などの特別な措置を除き、一度発行された紙幣は原則として通用力を失うことはない。
例えば、1986年に発行停止した、聖徳太子が描かれた1万円札、伊藤博文が描かれた1000円札も、それぞれ価値を失わないまま使用が可能だ。1955年発行停止の1円札、5円札も、同様に使用することが出来る。
財務省の担当者は考えられる手口として、
「古いお札は使えなくなるから回収します、というものや、古い紙幣を振り込んでくれたら代わりに新しいお金に換えてあげる、といったものが予想されます」
と、注意を呼びかけた。
最近では、新しい元号「令和」の発表を利用した詐欺も発生している。茨城県警は9日、新元号に便乗し、金融庁職員を装って81歳の女性からキャッシュカードと通帳をだまし取ったとして、24歳の女性が逮捕されている。