1979年の誕生以来、基本的なスタイリングや堅牢なボディはそのままに、つねに最適のパワートレイン、装備を加えながら進化を続け、2018年についにフルモデルチェンジを果たした最高峰クロスカントリーモデル、『メルセデス・ベンツGクラス』に、静粛性に優れる直列6気筒クリーンディーゼルエンジン“OM656”を搭載した『メルセデス・ベンツG350d』が追加され、4月4日より予約受注が開始されている。
基本的スタイリングは踏襲しながらも、現代的なオンロード性能を高めるべくラック&ピニオン式の電動パワーステアリングや、超高張力スチール剛板とアルミ部材の採用による大幅な軽量化、そしてトルコンATに9速の“9G-TRONIC”を採用するなど最新の機能性を手にした『メルセデス・ベンツGクラス』に、バランスに優れコンパクトな直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを初搭載。
この“OM656”は、欧州において導入されているRDE(Real Driving Emission/実路走行試験)規制に適合するなど高い環境性能も併せ持つと同時に、エンジンブロックに近接搭載した排出ガス浄化システムを採用し、温度低下による浄化効率の悪化を防ぐことを可能としている。
メルセデス・ブランドでは“S400d”にも搭載される最新の直列6気筒クリーンディーゼルは、ガソリンの“M256”などと基本設計を共有するモジュラーコンセプトを採用。最高出力286PS、最大トルク600Nmのアウトプットで、Gクラスの0-100km/h加速を7.4秒にまで短縮する性能を備えている。
この直列6気筒の最新クリーンディーゼルは、燃焼圧力の高いディーゼルエンジンでありながらシリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして全長をコンパクトにまとめたことで様々なモデルに搭載することを可能とし、シリンダーブロックは軽量化のためにアルミニウム製とする一方、ピストンはスチール製を採用した。
この熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上も摩擦を低減し、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施すことで摺動抵抗も削減。ピエゾインジェクターを使用したコモンレールダイレクトインジェクションシステムは最大噴射圧を2500barまで高めている。
ターボは2ステージターボチャージャーを使用し、小径タービンには可変ジオメトリーを採用。低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能とし、排気側にのみ可変バルブリフトシステム“CAMTRONIC”を採用することで、冷間時の吸気工程中に排気の一部を燃焼室に戻すことも可能となっている。これにより燃焼室内の温度を上昇させることで、排出ガス浄化システムを効率的な温度まで早期に暖め、排出ガス浄化に寄与する設計とした。
さらに、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせた“マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)”を搭載しており、燃焼の最適化を図り後処理を行なう前の段階でNOxを低減。ターボチャージャーから出た排出ガスは酸化触媒へ送られた後、AdBlueを噴霧。下流のsDPF(DPFwithSCRCoating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質の捕集と窒素酸化物の低減を行なった後、最終的にSCR触媒でさらに窒素酸化物の処理を行なう厳重な浄化システムとなっている。
また可変エンジンマウントの採用により、低振動で高い静粛性を持ちながらスムーズな加速を実現し、長距離走行もより快適に過ごせるパワーユニットとして『メルセデス・ベンツGクラス』の持ち味を引き出す役割も担うほか、トルクコンバーターハウジングをアルミニウム製、ギアハウジングをマグネシウム製とした9G-TRONICトランスミッションは前進ギアが2速分増えたにもかかわらず、従来の7G-TRONICと比較して1kg軽量化されており、多段化での巡行回転数を下げると同時に消費燃料の低減にも貢献している。
もちろん「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムも標準装備となり、価格は1170万円。デリバリーは2019年7月以降が予定されている。
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