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オーナーのボビー・レイホールが佐藤琢磨を絶賛「彼は抜きんでた存在だった」

2019年04月08日 13:31  AUTOSPORT web

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琢磨の勝利を喜ぶ共同オーナーのデビッド・レターマンとボビー・レイホール
インディカー・シリーズ第3戦アラバマグランプリを制したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨。オーナーたちも琢磨の働きを絶賛した。

 前日の予選でポールポジションを獲得した佐藤琢磨。チームメイトでオーナーのボビー・レイホールの息子でもあるグラハム・レイホールも2番手を獲得。予選日からレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのピットはお祭り騒ぎの喜びを見せた。

 ウォームアップでは、レイホールがトップ。琢磨は違う方向性を試し、タイムは伸び悩んだものの決勝に向けて好感触を得ていた。

 迎えた決勝レース。フロントローからスタートしたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの2台。琢磨は好スタートを切りホールショットを決め、レイホールも2番手と続いた。

 オープニングラップから琢磨は約1秒のリードを築き、徐々にレイホールとの差を広げレースをリードしていく。

 琢磨は17周を走行し最初にピット作業へ。ここで左リヤタイヤの交換が遅れタイムロス。続いて翌周にレイホールがピットイン。同時にレイホールと2番手を争うスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)も入ってくる。

 ピット作業の勝負になると思われたが、レイホールにマシントラブルが発生。ピットアウトしたものの大きなタイムロスで優勝争いから脱落してしまう。

 1回目のピット作業で暗雲が立ち込めたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング。

 しかし、タイムロスした琢磨はピットアウト後のアウトラップをうまくこなして、コースインするディクソンの鼻先で前に出ることに成功。これで実質トップを守り、勝利へと邁進する。

 2度目のピット作業を順調に行った琢磨とピットクルーたち。レイホールがマシントラブルでコース上にストップし、あわただしかった3度目のピット作業も早さを見せてトップで琢磨をコースに送り出す。

 琢磨はリスタート後も安定した走りでトップを快走。残り5周となった86周目のターン8でコースオフを喫し、危ない場面も見せたが、無事トップでチェッカーフラッグを受けた。

 琢磨にとっては4度目のインディカー優勝。ポール・トゥ・ウインは自身初だ。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングにとっては、27回目のインディカー優勝となった。共同オーナーのボビー・レイホールとデビッド・レターマンも琢磨の勝利に大喜び。

「琢磨は本当に素晴らしいね。美しくドライブしたよ。チームも素晴らしい仕事をして、ピットストップも、戦略もすらばらしかった。しかし、その中でも琢磨は抜きんでた存在だったよ」とボビー・レイホール。


 タイムロスをした1回目のピットストップについて琢磨は、「僕たちは新しいクルーがいて、いつも勉強をしています。スローストップは起こるものだし、それがレースです。知っての通り、僕もミスをしますし、その後リードを取り戻すことができました」とレース後に振り返った。

 トラブルでリタイアとなったチームメイトのグラハム・レイホールは、「トラブルは残念だった。チーム全体は本当にうまくいっていたよ。琢磨と僕はスタートからリードすることができた。今日は僕たちの日だと思ったんだ。セントピートではパンクをしたし、運を変えなければいけないね」とレースを振り返った。