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SUPER★DRAGONは進化し続ける パフォーマンス通じて“感情共有”した『Emotions』ツアー

2019年04月07日 13:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 EBiDANグループの中でも9人という大所帯・SUPER★DRAGON。最近ではメンバーの毅がドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で重要な役どころを演じるなど、ソロとしても活躍の幅を広げる中、『SUPER★DRAGON 7th ONEMAN LIVE TOUR「Emotions」』を開催し、計1万3000人を動員した。本稿ではそのファイナル公演の模様をレポートする。


(関連:『SUPER★DRAGON 7th ONEMAN LIVE TOUR「Emotions」』写真


 今回のステージは上段と下段、さらに左右の4層に分かれ、バーでそれらをつなぐという構成に。冒頭、スクリーンにレーザーで1人ひとりの人型が映し出され、1曲目の「LRL -Left Right Left-」へ。上段、左右、下段とそれぞれのスペースで踊っていても振りはしっかりとシンクロしており、その練習量を考えると、今回のツアーに懸ける思いの強さを感じる。続いてそれぞれが身につけたハンドレーザーが眩しい「Mr.GAME」。ここでもピタリと揃ったパフォーマンスを見せた。


 MCでは洸希のボイスパーカッション、壮吾の車掌モノマネなど恒例の自己紹介をする中、颯が韓国語を披露。また、和哉と楽にとっては“14歳ラストライブ”となるため、和哉が「世界で一番幸せな14歳」と嬉しそうに話す場面も。そしてジャンが全力で会場を煽り、そのまま「PAYAPAYA」に。サビでは観客も一緒に“PAYAPAYAダンス”を踊り、会場が一体となっていった。


 ライブにおける彼らの魅力は、ジャンや和哉、洸希の雄々しいラップ、毅や彪馬の感情豊かで伸びやかなボーカル、玲於、颯、壮吾、楽の軽やかな身のこなしを生かしたダンス。大所帯ながらどのステージでも各メンバーの個性が生かされているのだが、今回のツアーでは9人のシンクロ率がぐっと上がっていた印象だ。洸希がブログで「絶対にいつも以上を魅せるという目標に向かって取り組んできました」と振り返っていたが、ステージの端々からそうした彼らの気概が伝わってきた。


 それまでのアップテンポな楽曲とはがらりと雰囲気の変わる、失恋を描いた「Bring Back」ではディラッドスクリーンを駆使し、シルエットと実際のメンバーが入れ替わりで踊るような趣向を凝らした演出も。ダンサブルな「BLOODY LOVE」では上下のステージを広く使い、「Bring Back」に続いて大人びたボーカルを聴かせる。大人数かつ平均年齢が比較的若いため、“元気”な印象の強いグループだったが、今回のライブでは落ち着いた表情を見せる場面が多かったのも印象深い。


 その後、玲於、毅、ジャン、颯の“年上組”によるファイヤードラゴンが妖しげな雰囲気の「ゲラゲラ」ではアクロバティックなパフォーマンスを見せ、壮吾、洸希、彪馬、和哉、楽の“年下組”によるサンダードラゴンはパワフルな「リマカブロ!」でステージの2階にも登場。ユニットの個性が際立つ2曲となった。そして颯がソロダンスも披露した「Set It Off」、セクシーな雰囲気の「WARNING」、ステージ全体を使ってパフォーマンスした「HACK MY CHOICE」などで会場の熱量を一気に上げ、最後は「Untouchable MAX」。〈今の俺に近付いたら火傷するぜ〉という歌詞の通り、熱のこもったパフォーマンスで会場を魅了していた。


 アンコールではこの日の公演がBlu-ray化されること、9月に日比谷野外大音楽堂公演を開催することがアナウンスされ、客席は歓声に包まれた。そんな会場の様子にグッと来たかのように、ツアータイトル通り“エモーショナル”になるメンバー。そしてそんな彼らを目にし、観客もまた感情が高ぶっていたようだった。今回のツアーのコンセプトの1つは“感情共有”。それはパフォーマンスを通じ、メンバー同士、そして客席ともしっかりと果たされていたと感じる。アンコール最後の楽曲は、毅の「これからも一緒に笑顔を作っていこう」という言葉から始まった「What a day」。ライブを通じて“喜怒哀楽”を表現したようだった。


 レーザーやスクリーンなどの演出、そしてダンスパフォーマンスに力を入れた今回のツアー。日々進化する彼らに圧倒されると同時に、もっと大きなステージで観てみたい、そう思わせられる公演だった。(村上夏菜)