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WRC:2020年のラリー・ジャパン復活に向け、11月愛知でテストイベント開催へ

2019年04月06日 14:11  AUTOSPORT web

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セントラル・ラリー愛知2019の開催発表会には新井敏弘やWRCプロモーターのオリバー・シースラもかけつけた
2020年にWRC世界ラリー選手権の日本ラウンド、“Rally Japan(ラリー・ジャパン)”開催を目指しているWRC日本ラウンド招致準備委員会は、ラリー・ジャパンのテストイベントとして、2019年11月7~10日に愛知県でノンタイトル大会『Central Rally Aichi 2019(仮)』を開催するべく、JAF日本自動車連盟を通じてFIAに申告を行ったことを明らかにした。

 公道を舞台に争われるラリー競技の最高峰、WRCは2017年にトヨタがワークスとしての活動を再開。2018年にはトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを手にするなど活躍しており、日本でも人気が高まっている。

 WRCの日本ラウンド、ラリー・ジャパンについては、2004~10年まで北海道で開催されてきたが、リーマンショックなどの影響もあり、2010年限りで開催が途絶えている。

 そんなラリー・ジャパンを復活させるべく、2018年1月にWRC日本ラウンド招致準備委員会が発足。現在は2020年のカレンダー入りを目指して活動を続けている。

 今回、開催計画が発表されたセントラル・ラリー愛知2019は、ラリー・ジャパン招致に向けたテストイベントとして位置づけられており、運営組織やスタッフの習熟、設定コースの実地テスト、FIAによる医療査察なども兼ねているという。FIAによる視察については、2018年11月の新城ラリーでも行われており、これに続くものという位置づけだ。

 セントラル・ラリー愛知2019の開催日程は11月7~10日。このうち競技は9日(土)、10日(日)の2日間で行われるという。競技の中心となるサービスパークは愛・地球博記念公園に設けられる予定。同公園はラリー・ジャパンでもサービスパーク設置が予定されている。

 大会はターマック(舗装路)イベントとして行われ、2日間合計で行われるスペシャルステージ(SS)は全部で7本。合計の走行距離は123.26kmで、リエゾン(移動区間)は492.47km、総走行距離は615.73kmとなる予定だ。走行ルートには愛知県の豊田市、岡崎市、長久手市、新城市、設楽町が含まれる。

 大会は国際格式で行われ、カスタマー向けラリー車として人気のR5車両を含むRC2のほか、RGT、RC3、RC4、RC5に分類される車両が参加可能。また、国内イベントの併催も検討されているとのこと。

 このセントラル・ラリー愛知2019の翌週には2019年シーズンのWRC最終戦、ラリー・オーストラリアの開催も控えているため、ドライバーやチーム関係者なども訪れる可能性があるという。

 なお、発表イベントに登壇した招致準備委員会の高橋浩司氏は、一部SNSなどで話題になっていたラリー・ジャパン開催決定のニュースは否定。次回のWMSC世界モータースポーツ評議会での2020年暫定カレンダー入りを目指して、現在も活動を続けている段階だと強調した。

「2020年に向けて、すべて順調に進んでおります。FIAのWRC委員会における組織構成やカレンダー決定プロセスの変更などは、我々が期待していた方向性に沿った形で進んでおります」と高橋氏。

「その結果、2020年ラリー・ジャパンの愛知・岐阜県で開催できるものと確信しております」

「一昨日、SNSなどで事実上開催決定といったニュースが飛び交いましたが、最終的な決定はWMSCワールドモータースポーツカウンシルでの決定以降になります。最終的な(開催)決定を期待していたかたも多かったと思いますが、もうしばらくお待ち下さい」

「我々日本のプロモーターといたしましても、1年半後の本番を見据えてテストイベントを実施しようと決定し、活動を開始しております」

「開催地の地元のみなさまの機運を醸成し、国内外のエントラント、ファンへの認知度を高めるとともに、我々プロモーターとしても多くのことを学ぶ機会になると思っております」

 また、WRC日本ラウンド招致準備委員会は、ラリー・ジャパンのオフィシャルロゴマークも発表。今後はこのロゴを活用し、ラリー・ジャパンの活動を行っていくとのこと。

 テストイベントの開催とロゴが発表されたことで、ラリー・ジャパンの2020年復活はさらに前進したと言えそうだ。